検索
9mm Parabellum Bullet 配信ライブの裏側

9mm Parabellum Bullet 配信ライブの裏側

2020年6月30日に行われた9mm Parabellum Bulletの配信ライブにて、WavesLiveの先進的なライブコンソールであるe-Motion LV1と伝統と革新を併せ持つLewittのマイクを使用していただいた。 今回は9mm Parabellum Bulletさんの配信ライブにてPAを務めた株式会社Synk間瀬 正義さんにライブ後のお話しを伺うことができた。当日のライブの様子は、こちらの記事でもレポートされているので、合わせてお読みいただきたい。

2020.01.01

ライブ環境の変化の中で、普通の卓ではもうミックスしたくないほどLV1は音のクオリティが素晴らしい。

この度はWaves eMotion LV1を配信ライブのPA卓に使用いただきありがとうございました。当日は問題なくオペレーションが行えたと思いますが、LV1を使用した感想をお聞かせください。

株式会社Synk 間瀬 正義 氏

まず物理フェーダーがないということで、どうなんだろうと思うところはありましたが、実際は全くストレスなく使用することができました。音もかなりクリアで好印象でした。

間瀬 正義 氏

初めての配信ライブということで、機材選別が大変だたっとは思いますが、そこにLV1を選んだきっかけを教えてください。

Waves SuperRackを使用していて、使いやすさや音の良さを体験していて、LV1も気になっていました。配信ライブということで色々機材を探している際に、あるエンジニアさんから同じタイミングで「コロナの影響どう?」という話から、ちょうど世の中の流れが配信に向き出した時期で「配信ライブでLV1使ったらかなり良かったから機会があったら今度使ってよ!」という話を聞いてかなり興味が湧きました。

一番最初にSoundGridを知ったきっかけを教えてください。 また、SuperRackとLV1で使用感に違いを感じましたか?

元々レコーディングやミックスでWavesプラグインを使っていて、ライブでもオーディオI/OとDAWでWavesプラグインが使えないか実験をしたことがあったのですが、レイテンシーがすごくてライブでは使えないと諦めていた際に、何かの記事でSoundGridを見つけました。

レイテンシーが少なく安定してライブでWavesプラグインを使用できることを知り、ぜひライブでも使おうと思いすぐに試しました。LV1の使用感ですが、SuperRackに近く、違和感や迷うことなく使用することができました。

通常のデジタル卓とSuperRackの組み合わせと、LV1で全てミックスする場合の印象の差を教えてください。

Wavesを使用することを考えると、通常のデジタル卓とSuperRackの組み合わせですとイン/アウトやインサートのパッチが必要になり、途中から「やっぱりこのエフェクトを使いたい」というときワンテンポ遅れることがあるのですが、LV1では各チャンネルに好きなエフェクトを加えるだけなので、スピード感がとてもよく、素晴らしいと感じました。突発的にエフェクトを使用したいと思ったときに、パッチの手間や、インサートしていなかった楽器の単音をもらうこともできないので、SuperRackの時は諦めてしまうことがありましたが、その心配がないのがよかったです。

正直、物理フェーダー無いけど操作性は大丈夫だろうか?と構えていた部分があるのですが物理フェーダーがなくても全く違和感ありませんでした(笑)。その他の操作性もデジタル卓を使っているのと変わりませんでした。操作性は想像していたより抜群に良かったです。

LV1は、かなり解像度が高く、音のスピード感も早いですね。各社のコンソールによってはアナログ感を出したり、その卓の個性があるのですが、LV1はかなりクリアな印象を受けました。Avid S6Lを使用した時と同じ印象で、クオリティーの高い卓と遜色ないデジタルコンソールだと思います。

今回は配信ライブでの使用でしたが、通常のFOHミックスと比べて、処理を変えたり、拘ったところを教えていただけますか?

特に意識したところはないのですが、ライブハウスの熱感を伝えようと頑張りました。また、普通のデジタル卓だとそれぞれのオーディオ規格があるのでマルチ出力に苦労することがあるのですが、LV1だとEthernetケーブル1本の接続で難しい手順もなくマルチトラックでライブ・レコーディングができて感動しました。実際の音もDanteでライブ・レコーディングされた音よりも良い印象です。

バンドメンバーも配信後に音を確認し、音も演奏もよかったので「次のCDの特典になるかも!?」と話していましたよ。

ドラムのチャンネルに全てCLA Drumを使うなどエフェクトを決めることに迷いがなかったように見えたのですが、SuperRackも含めて、お気に入りのエフェクト・プラグインと使い方をお聞かせください。

CLA Drum

最低限使いたいセットは決まってますね。API 2500が好きで、特にTONEの設定次第で色々な使い方ができるのでバスコンプとして使ったり、全体の線が細いなと思ったらトータルコンプとして使ったり、かなり重宝しています。潰れ方や音色はクセの強い部類に入るコンプだと思うのですが、個人的にはアナログ特有の音の色気が出る感じがあって、気に入ってよく使っています。全チャンネルに使用したいくらい大好きです。

CLA Drumはドラマーや、楽曲にもよるのですが、激しいバンドや、生バンドでライブをする際にオケらしい音を求めているときに、プリセット、少しの調整で分離が良くなり、使い方も簡単です。

あと、L2リミッターは、レコーディングやミックスの時でもよく使用するプラグインなのですが、L1や、L3に比べ、そのまま自然にリミットしてくれる印象があります。 過激に当たっていると過激に潰れてくれ、自分のミスにも気が付けますし、マルチバンドを使用すると色付けが入るので、ミスの原因がどこにあるのか特定が大変なのですが、L2だとどこが悪いのかすぐにわかるのがいいですね。

また、配信や、デシベル規制のある現場ではマスターにL2を使用すると、指定した音量でピタッと止まるのでおすすめです。

今回のミックスで初めて使ったプラグインはありますか?その使い方と印象をお聞かせください。

今回リハーサル中にボーカルのマイクにシンバル類の被りがかなりあり、処理に少し悩んでいました。勿論ライブの現場においてステージのサイズや立ち位置の関係でVoマイクへの「被り」は頻繁にある問題ですので、さほど大きな悩みでは無いと思っていたのですが、PSE - Primary Source Expanderというプラグインを初めて使ってみました。

今回はボーカルにインサートしたのですが、かなりの精度で本当にびっくりするくらい被り音が抑えられ、ボーカルだけを上手く拾ってくれるので、かなりクリアに声だけを集音する事ができました。今回教えてもらったプラグインですが、他には教えたくないくらいです(笑)。

LV1 利用風景

今後も配信ライブが増えるとは思いますが、配信や通常のライブでLV1を使いたいと思いますか?

今後はオーディエンスありでライブを配信をするなど色々企画があります。そういったライブ環境の変化の中で、普通の卓ではもうミックスしたくないくらい、e-Motion LV1は音のクオリティーが良かったです。

現場にいた他のスタッフやエンジニアからの評価も非常に良く、かなりクオリティーが高かったので、次のライブでは配信用ミックスを用意する予定はなかったのですが、次回もSoundGridを使用して配信用のミックスをしようと思っています。

eMotion LV1は新しいタイプの進化し続けるライブ用コンソールですが、他の方にお勧めしたいですか?

非常に使いやすく、音も良かったので本当におすすめです。

LV1 セッティング

LV1 中身


いいマイクなのにこんなに安い!

Lewittのマイクはどこで知りましたか?

初めは雑誌のSound&Recordingで読んだ気がします。AKGで開発をしていた方が新しく作った会社とのことで、出た当初から注目していました。最初に試したものがドラムキットで、すごく良かったので即購入しました。

Lewittのマイクは比較的値段が安い製品が多く、安いマイクはいい音がしないという方もいるのですが、その印象はどうでしたか?

最初に値段を見ないでドラムキットを試したのですが、LCT340など音がすごく好きで、値段を後から見たら安すぎて驚きました。安いマイクという印象ではなく「いいマイクなのにこんなに安いのか!」と思いました。

素直に音を拾ってくれるいいマイク

今回9mm Parabellum Bulletさんのライブでは、ギターアンプにLCT 240 PRO、他のギターアンプとベースにはLCT441を使っていましたが、選ぶ基準はありましたか?

マイクを選んだときに各社のマイクをアンプに並べて、アーティストに機種名や、値段、形を教えず音だけでキャビネットから出ている音と違和感のないモデルを選んだ結果、このセレクションになりました。本当にタモリ倶楽部のマニアックな会のようでしたが(笑)こんなに一度にマイクを試せる機会もそうそう無いですし、とても有意義な時間でした。

最近はコンデンサマイクをライブで使用することも増えていて、ギター自体もレンジが広くなっているため、マイクもコンデンサーマイクの広いレンジを使用する頻度が増えています。ライブでコンデンサマイクを立てることで、音が素直で面白くなります。

Lewittのマイクはアンプのオンマイクにも使用できる耐圧性があることもポイントですね。Lewittのおすすめポイントをぜひ教えてください!

安いマイクで適当なものを買って後悔したくないのであれば、同じ価格帯でLewittを使用することをお勧めします。すごくクリアで原音を壊さないので、悩んなら一回使用してみてください!

今回はご協力ありがとうございました。


プロフィール

間瀬 正義

間瀬 正義

ライブサウンド・エンジニア

担当アーティスト

  • 9mm Parabellum Bullet
  • BiSH
  • EMPiRE
  • サイプレス上野とロベルト吉野

プロフィール

9mm Parabellum Bullet

9mm Parabellum Bullet

2004年横浜にて結成。2007年10月メジャーデビュー。11th Single「白夜の日々」、Tribute ALBUM「CHAOSMOLOGY」を発売中!10月配信リリース「Blazing Souls」が新日本プロレス最強決定リーグ戦『レックPresents G1 CLIMAX 30』のテーマソングとなっている。

人気記事

コンプレッサーの種類ってたくさんあるけど、どれを使ったらいいの?
コンプレッサーの種類ってたくさんあるけど、どれを使ったらいいの?

今回の記事では、コンプレッサーの種類と、それぞれのコンプレッサーをどのような場面で使用するのかを学んで行きます。VCA、FET、Optical、Variable-Mu、デジタルコンプレッサープラグインなど、様々な種類のコンプ

ミックスで「コンプのかけ過ぎ」を避ける7つのコツ
ミックスで「コンプのかけ過ぎ」を避ける7つのコツ

ミックスする時に、コンプレッションをかけすぎたり不足したりはしていないでしょうか?全てのコンプレッションに目的を持っていますか?かけすぎで躍動感が失われたり、逆にルーズすぎてかかりが弱かったりというこ

リードボーカルのミキシング 12のステップ 後編
リードボーカルのミキシング 12のステップ 後編

前回に引き続き、リードボーカルに対するアプローチをご紹介します。前回の記事では、コンピングや編集で、ボーカルのベースを作っていく作業を中心にご紹介しましたね。今回の記事では、ミックスの中で他の楽器隊な

WAVESがV15へ。メジャーアップデートをリリース
WAVESがV15へ。メジャーアップデートをリリース

30年以上もの間、WAVESはプラグイン・エフェクトの世界的ディベロッパーとして、音楽制作の現場を支えてきました。この度、WAVESはV15へのメジャーアップデートをリリースいたします。

11のステップでプロのサウンドへ。ドラムのミキシング
11のステップでプロのサウンドへ。ドラムのミキシング

コンプレッションやEQの設定、位相トラブルの修正方、さらにトランジェントのコントロールまで、ドラムミックスの"いろは"を学んでいきましょう。 さらに、パラレルコンプレッションやリバーブを使い、深みと奥行

StudioRackがOBS Studio(Windows)に対応
StudioRackがOBS Studio(Windows)に対応

ストリーミング配信・録画ソフトウェアOBS Studio(Windows)にStudioRackが対応し、配信時にWavesプラグインを使用することが可能になりました。これにより配信時にノイズ除去(Clarity)や音量管理(Vocal Rider)

人気製品

Ultimate
Curves Equator
Curves Equator

Wavesは30年間にわたりEQを設計してきました。しかし、もっと正確で、もっとパワフルで、もっと効率的で、さらに楽しいEQがあったらどうでしょう?近年、スタジオのテクノロジーとワークフローのほとんどすべての面

Horizon
Horizon

音楽の創造は1990年代にアナログからデジタルへ、ハードウェアからソフトウェアへ、2000年代にはコンピューターのパワーの上昇によりインザボックスでの制作、ミキシング、マスタリングは一般的なものになりました。

Platinum
Platinum

モチベーションも高く制作を進め、ミックスも基本のプロセッシングからキャラクターを生かしバランスを取った作業ができた。数曲をトラックダウンして、作品として発表するところまでもう少しという段階。ここまでく

Gold
Gold

音楽制作やミックスをより輝かせるために必要なものとは何でしょう。Power PackやSilverがあれば、作業の基礎は十分にカバーできます。しかし、それぞれのトラックの個性を引き出し、より有機的にバランスよく文字通

Ultimate
Essential
Clarity Vx
Clarity Vx

Clarity Vxは、ボーカルをバックグラウンドノイズから取り除き、あらゆるミックス、プロダクション、ポッドキャスト、ビデオ用にサウンドを整える最高品質かつ最速の方法です。Waves Neural Networks®が搭載されてい

Ultimate
Essential
Vocal Rider
Vocal Rider

ボーカルトラックのレベルをリアルタイムに調整する「手コンプ」を自動で行うプラグイン Vocal Riderは、ボーカル・レベル・オートメーションに革命を起こします。用途も、使い方も、他のWavesプラグイン同様、非常

Ultimate
Essential
CLA Vocals
CLA Vocals

Waves Artist Signature Seriesは、世界のトッププロデューサー、エンジニアとのコラボレーションにより生まれた目的別プロセッサーシリーズです。全てのSignatureシリーズプラグインは、アーティストの個性的なサウ

Mercury
Mercury

音楽、映像、ライブ、放送、配信、設備、インスタレーション、アーカイブ。かつては分野や過程ごとに専業だったサウンドに関わる多くの作業は、近年ますます複雑にクロスオーバーするようになっています。音楽制作だ

Products
Solution
Contents
Support
Company
Instagram YouTube