【導入事例】Bruno MarsのFOHエンジニア Sean “Sully” Sullivan、Waves LiveBoxをツアーで運用
Bruno Mars「The Romantic Tour」を支えるFOHエンジニア Sean “Sully” Sullivan。Avid S6LとWaves LiveBoxを組み合わせ、Waves以外のサードパーティ製プラグインもライブ環境で安定運用。
2026.10.02
Bruno Marsによるワールドツアー 「The Romantic Tour」。最大8万人規模の観客を動員するスタジアム公演でFOHミックスを担当するのが、ツアーエンジニアの Sean “Sully” Sullivan です。そのミックスシステムの中心にあるのは Avid S6L。そして、その横で重要な役割を担っているのが Waves LiveBox です。
LiveBoxは、Sullivanのシステムにおいて、Waves以外のサードパーティ製プラグインを集約して処理する専用プラットフォームとして使用されています。
「LiveBoxは、サードパーティ製のWaves以外のプラグインを扱うために、まさに最適な役割を果たしています。」
— Sean “Sully” Sullivan
36年にわたってライブサウンドの現場に携わってきたSullivan。そのキャリアには、Red Hot Chili Peppers、Rage Against the Machine、Shania Twain、Roger Waters、Smashing Pumpkins、Avenged Sevenfold、System of a Down、Beckなど、数多くのアーティストが名を連ねます。長年にわたって培ってきた経験が、現在の機材選びとシステム構築にも反映されています。
Wavesとサードパーティ製プラグインを、それぞれ最適な環境で運用
Sullivanは、2つの専用システムを並列で運用しています。ひとつはAvid S6L上で動作するWavesプラグインのシステム。もうひとつが、Waves LiveBoxによるサードパーティ製プラグインのシステムです。
S6L上では、WavesプラグインをSoundGrid Rack for VENUEを介して直接運用。一方、Waves以外のVSTプラグインはLiveBoxで処理し、3枚あるMADIカードのうち1枚を介してS6LのE192エンジンと接続しています。
「AvidとWavesはコンソール上で非常にうまく連携するので、Wavesのプラグインはすべてデスク上で処理しています。そしてLiveBoxは、Waves以外のサードパーティ製プラグイン専用です。
— Sean “Sully” Sullivan
世の中には何千ものプラグインがあります。Wavesには素晴らしいものがたくさんありますが、もちろん他のブランドにも良いプラグインがあります。LiveBoxは、その役割に完璧にフィットしています。」
つまり、Wavesプラグインとサードパーティ製プラグインを無理にひとつの環境へまとめるのではなく、それぞれの強みを活かしながら、ひとつのライブシステムとして統合しています。
Bruno MarsのボーカルチェーンにもLiveBoxを活用
その構成が特に分かりやすく表れているのが、Bruno Marsのリードボーカルです。Wavesとサードパーティ製プラグインを、それぞれ適した環境で組み合わせながら、ひとつのボーカルチェーンとして運用しています。
ボーカルチェーンの最初に使用し、不要なレゾナンスをコントロールします。
コンプレッサーとディエッシング処理を行います。
再びLiveBoxへ戻り、テープサチュレーションを加えています。
巨大ツアーだからこそ求められる「音のコントロール」
LiveBoxは、今回のツアー特有の音作りにも活用されています。
今回のプロダクションでは、新しいL-Acoustics PAシステムを導入。Sullivanによれば、従来使用していたシステムと比較して、「ハイミッド帯域のディストーションがほぼなくなった」というほど、PAシステム自体のクオリティが向上しています。
しかし、SullivanはPAに任せきるのではなく、あえて自分自身で音のキャラクターをコントロールしています。そこで使用しているのがFabFilter Saturnです。
「少しだけ手を加えるためにSaturnを使っています。PAがミックス全体に一律のディストーションを加えてしまうのではなく、どのくらい、どの帯域にそれを加えるのかを自分でコントロールできる。それがいいんです。」
— Sean “Sully” Sullivan
LiveBox上ではこのほかにも、ギターに心理音響的な広がりを加えるJoey Sturgis Tonesのサイドワイドナー、ベースシステムに低域のコンプレッションとサチュレーションを加えるParallaxなどを使用しています。
フィードバック対策にもLiveBoxを活用
ライブ現場で避けて通れないのが、PA前に立つアーティストによるフィードバックの問題です。Sullivanは、LiveBox上でDeFeedbackを使用しています。
「新しいプラグインやソフトウェアがなかった頃は、マイクの音を小さくするために、とにかくEQで削っていました。
— Sean “Sully” Sullivan
昔の方法が失敗だったというわけではありません。ただ、今は物事をより良く、そして簡単にするための新しいツールがあるんです。」
現在はDeFeedbackを使うことで、アーティストがPAの前に立った状態で発生する問題を、より直接的にコントロールできます。そして、その処理を安定してライブで運用するうえでもLiveBoxが重要な役割を果たしています。
「LiveBoxによって、DeFeedbackを信頼性の高い方法で運用できることが大きいですね。」
Waves側ではScheps Omni ChannelとAtlas Reverbを活用
S6L側のWaves/Avidシステムでは、Scheps Omni Channelをほぼすべてのドラムチャンネルと複数のバスで使用。Sullivan自身も「僕のお気に入りのプラグイン」と語るほど、日常的に活用しています。
さらに最近では、Wavesの新しいリバーブプラグインAtlas Reverbも使い始めています。
「とても音の良いリバーブです。UIがごちゃごちゃしていなくて、必要なノブだけがある。必要なのは、素早く動作して、余計な手間をかけずに必要なことをやってくれるツールです。基本的にはセットして、そのまま使える。Atlasもまさにそんな感じです。」
— Sean “Sully” Sullivan
CPU負荷の軽さと、豊富な「Program」プリセットもAtlas Reverbのポイントとして挙げています。
毎晩のショーを支える信頼性
大規模なワールドツアーにおいて、どれだけ多機能なシステムであっても、安定して動作しなければ意味がありません。その点についてSullivanは、非常にシンプルに答えています。
「LiveBoxが大好きです。毎晩ちゃんと動いてくれます。
— Sean “Sully” Sullivan
一度も問題がありません。ワークフローは非常にシンプルです。大好きですよ。本当に素晴らしい機材です。」
SullivanはLiveBoxの初期ユーザーのひとりでもあり、製品が登場した段階から自宅でテストを開始。その後、前年のツアーでも使用し、現在の「The Romantic Tour」でも継続して使用しています。
世界規模のツアーで、毎晩異なる会場、異なる環境、そして最大8万人もの観客を相手にするライブサウンド。その現場でLiveBoxは、Waves以外の膨大なプラグイン資産をライブシステムへ組み込みながら、安定したワークフローを構築するための専用プラットフォームとして活躍しています。
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