検索
クリエイティブなエフェクトって?

クリエイティブなエフェクトって?

スタッフHです。少し前、とあるエンジニアさんにインタビュー用でスタジオを訪問させていただいた時に、大変興味深いお話を聞かせていただくことができました。

2020.01.01

そのエンジニアさんは国内のみならず、国外のアーティストとも多数のお仕事をされており、ご自身もミュージシャンとして活躍もされており、多忙な音楽漬けの日々を送られている方で、携わられている作品はいずれも、ため息がでるほど格好いいのです。

ビンテージ機器をふんだんに使い、最新鋭のプラグインも巧みに織り交ぜる。その方の作品はいずれも「どうやったらこんな独特のトーンができるの?」という疑問が素直にあったので、意を決して聞いてみたのです。人によっては答えようもない、失礼極まりないこととは思いつつ。

そこでエンジニアさんの返答が、

「どうやって、と言われると正直答えに困るのですが、昔からライブはライブ、レコーディングはレコーディングと分けて考えているところがあって、ライブはレコーディングしたものの再現とは考えないようにしています。
だから、レコーディングでしかできない実験をものすごく意識して、絶対にライブでは使えないような機材を使って不思議な響きを作る、ということは多いかもしれません。せっかくレコーディングというクリエイティブな時間を過ごせるのですから、実験をたくさんやりたいですよね。ボーカルに(ライブでは使えなさそうな)コンパクトエフェクターとか通してみると、楽しいじゃないですか」

というお話だったのです。


この時の話を思い出したのは、同じく数々の(間違いなく歴史に残る)名盤に携わってきた、Butch Vigさんのビデオに字幕をつけていたときのこと。

Butch Vig(ブッチ・ヴィグ)さん。Garbageのドラマーであることとともに、ニルヴァーナのNevermind、スマッシング・パンプキンズのGish、この2大バンドのデビューアルバムをメンバーとともに作り上げたのも彼。その他、Green DayやFoo Fightersなど、誰しもが知るレコードをメンバーとともに作り上げています。

Butch Vigさんの特徴的なサウンドの1つといえば、「美しい歪みと揺れ」でしょう。歪んでいながら、ただ攻撃的な音というわけでもなく、音楽そのものにどっぷりと浸ってしまいそうになるほど美しく、そして心地よい揺れがある。

Butch Vigさん自身のバンドGarbageも、これまで携わってきたレコードにも共通したものがある。そこで、Butch Vigさんが「実際にGarbageのミックスでも使った」というWAVES Reel ADTのビデオをひとつ、用意してみました。

使用されているWAVESのReel ADTとは、世界で初めてプラグイン化された、アビー・ロード・スタジオ所有のADT(Artificial Double Tacking)をモデリングしたもの。

サウンドの監修をアビーロードとWAVESが行い、プラグインの制作をWAVESが行ったもの。門外不出の機材だっただけに、このたびのパートナーシップで初めてプラグイン化となったものです。

reeladt

ビデオでは、Butch Vig本人の口から「Garbageの曲のギターの一部で、いろいろな機材を試していたもののイメージしていた音を作ることができなかった。WAVES Reel ADTを使ったところ、まさにそのイメージ通りとなった」というところから話題がスタートします。

実際のADTは、ビートルズのメンバーが「一回歌っただけで2回重ねたような効果をつくれないものか?」というリクエストに応じてアビーロードスタジオが製作した(諸説あり)とのことですが、ボーカルのみならずどんなソースにもイイ、という内容でビデオは進行。事実、ビデオ冒頭からギターに使ったテストが公開されています。

ビデオ後半は、ガービッチのボーカル、シャーリーの声へWAVES Reel ADTをテストする様子を公開しています。オン・オフを繰り返し、パラメーターを操作する様子は非常に貴重な映像ではないでしょうか。

歪みの神様ともいえるButch Vig。その口から「Reel ADTのDriveは本当によくできている」と語られます。ここは実際に音を聞きながらチェックしていただきたいところです。

人気記事

リードボーカルのミキシング 12のステップ 後編
リードボーカルのミキシング 12のステップ 後編

前回に引き続き、リードボーカルに対するアプローチをご紹介します。前回の記事では、コンピングや編集で、ボーカルのベースを作っていく作業を中心にご紹介しましたね。今回の記事では、ミックスの中で他の楽器隊な

コンプレッサーの種類ってたくさんあるけど、どれを使ったらいいの?
コンプレッサーの種類ってたくさんあるけど、どれを使ったらいいの?

今回の記事では、コンプレッサーの種類と、それぞれのコンプレッサーをどのような場面で使用するのかを学んで行きます。VCA、FET、Optical、Variable-Mu、デジタルコンプレッサープラグインなど、様々な種類のコンプ

ボーカルの「こもり」を解決する3つの方法
ボーカルの「こもり」を解決する3つの方法

ボーカルミックスにおいて、課題になることが多い「こもり」。このボーカルの「こもり」は 250〜900Hzの間に余分なエネルギーや共振の発生によって引き起こされます。この周波数帯には、ボーカルの「芯」となる要素

ミックスで「コンプのかけ過ぎ」を避ける7つのコツ
ミックスで「コンプのかけ過ぎ」を避ける7つのコツ

ミックスする時に、コンプレッションをかけすぎたり不足したりはしていないでしょうか?全てのコンプレッションに目的を持っていますか?かけすぎで躍動感が失われたり、逆にルーズすぎてかかりが弱かったりというこ

マスタリングEQのタメになるTips10選
マスタリングEQのタメになるTips10選

WAVESウェブサイトに投稿されていた記事の中から、マスタリングのコツを取り扱ったものを日本語化しました。先日の「マスタリングにおけるリミッティング。6つのTips」と合わせて、魔法のようなマスタリングを実現す

DAWの「ゲイン・ステージング」とは? 音量管理で、より良いミックスに
DAWの「ゲイン・ステージング」とは? 音量管理で、より良いミックスに

透明感とパンチを兼ね備えたミックスを実現するために必要なものは、ミックステクニックやエフェクトだけではありません。「良いミックス」とは、トラックとミックスの正しいレベルを設定することから始まります。今

人気製品

Horizon
Horizon

音楽の創造は1990年代にアナログからデジタルへ、ハードウェアからソフトウェアへ、2000年代にはコンピューターのパワーの上昇によりインザボックスでの制作、ミキシング、マスタリングは一般的なものになりました。

Ultimate
Curves Equator
Curves Equator

Wavesは30年間にわたりEQを設計してきました。しかし、もっと正確で、もっとパワフルで、もっと効率的で、さらに楽しいEQがあったらどうでしょう?近年、スタジオのテクノロジーとワークフローのほとんどすべての面

Ultimate
Essential
Clarity Vx
Clarity Vx

Clarity Vxは、ボーカルをバックグラウンドノイズから取り除き、あらゆるミックス、プロダクション、ポッドキャスト、ビデオ用にサウンドを整える最高品質かつ最速の方法です。Waves Neural Networks®が搭載されてい

Gold
Gold

音楽制作やミックスをより輝かせるために必要なものとは何でしょう。Power PackやSilverがあれば、作業の基礎は十分にカバーできます。しかし、それぞれのトラックの個性を引き出し、より有機的にバランスよく文字通

Platinum
Platinum

モチベーションも高く制作を進め、ミックスも基本のプロセッシングからキャラクターを生かしバランスを取った作業ができた。数曲をトラックダウンして、作品として発表するところまでもう少しという段階。ここまでく

Ultimate
Essential
Waves Tune Real-Time
Waves Tune Real-Time

エモーションを損なわない自然で正確なピッチ補正を、リアルタイム、超低レイテンシーで実現する、ボーカリストのためのドリームツール パフォーマンスに自信と集中を持って取り組むために、ライブ、スタジオを問わ

Ultimate
Essential
Vocal Rider
Vocal Rider

ボーカルトラックのレベルをリアルタイムに調整する「手コンプ」を自動で行うプラグイン Vocal Riderは、ボーカル・レベル・オートメーションに革命を起こします。用途も、使い方も、他のWavesプラグイン同様、非常

Ultimate
JJP Vocals
JJP Vocals

Jack Joseph PuigによるJJP Vocalsについてのコメント: “ボーカルをミックスする時に気を付けているのは、直感と本能だ。どのディレイをとか、EQをどうするかとか、コンプレッサーの設定とか、そんな技術的な話では

Products
Solution
Contents
Support
Company
Instagram YouTube