トップエンジニアからの金言。ミキシングのTips
今日は世界一級のエンジニアが送るミキシングのTipsですが、具体的なTips(例えば、EQやコンプをこんな風にセッティングするとか)は1つもありません。しかし、ミックスをするにあたりとても大事なことが数多く含まれているもの。
そのエンジニアとはクリス・ロード・アルジ(以下CLA)。現代のアメリカンロックの音像は彼が作り上げたものと言っても過言ではない、まさしく音楽の歴史を1つ更新したエンジニア。「クリス以前・クリス以後」という言葉が成り立つほどではないでしょうか。彼が携わった作品と、その作品が受賞した賞を並べていくと、とてもここでは収まりません。エンジニアを志す方なら数10〜数100枚、リスニングがメインという方であっても、CLAの名前がクレジットされたレコードを数多く持っていることでしょう。
そんなCLAが愛用しているプラグインが、WAVESの製品。本日はCLAがWAVES本社を訪れ、スタッフであるYONIに「ミキシングの心構えのTips」を語るビデオをご紹介いたします。
本ブログをご覧の方の中には「完全にエンジニア志向」という方もいらっしゃれば、「自分で作品を作り、ミックスもする」という方も多いかもしれません。どのような方であっても一度は見るべき金言だらけなので、折を見て見返すなどもしてみてくださいね。
2020.01.01
CLAが語るミキシングのTips #1:ミックス前の準備について
ミックスを行う前段階の「準備」について。
ぱっとこのビデオをみて「なんだ、そんなことか」とビデオをストップしてしまう方は非常にもったいない。ここでCLAが語っている内容は、多くの一級エンジニアさんが「自然と(当たり前に)」やっていることのように思います。もしもみなさまが「自分で曲もつくり、ミックスもする」という方なら、心の切り替え方を学ぶビデオとして見ても面白いかと思います。ここで解説されている準備は、決して大げさなものではありません。「心の作り方」を参考にしてみてください。
CLAが語るミキシングのTips #2:使うプラグインは「あらかじめ」用意する?
このビデオで語られることは、今日からでも実践できること。しかし、いざ実践してみようとするとそれが難しいことにも気がつくでしょう。プラグインを選ぶタイミングについて語られています。「頭をミックス以外のことに占領されないための準備」という見方もできますね。
CLAが語るミキシングのTips #3:AUXトラックを用意するタイミングはいつ?
もしもこれから新しいセッションファイルに手をつけようとしている方は、こちらも是非実践してみてください。やることは非常に簡単なこと。同時に自分の中で「上限」も決めてしまって進めるのがいいでしょう。ここでは、CLAおすすめのWAVESプラグインについても触れられています。
CLAが語るミキシングのTips #4:正しいモニター環境とは
これは、非常に参考にすべきポイントでしょう。モニターとはどうあるべきか。どのくらいの音量でチェックすべきなのか。意外な答えだなと思う方もいらっしゃるかもしれません。小さな音量でミックスをすることは、実はとても大切なこと、とCLAだけでなく、多くのエンジニアさんが話をされているのを耳にしてきました。これもまた、今日から実践できる内容ですね。
CLAが語るミキシングのTips #5:コンプをかけるべきでは「ない」トラック
これはちょっと「耳が痛い」人もいるかもしれません。楽器を理解せずに(適当に)処理を進めていくことはダメですよね。楽曲を何度もなんども繰り返し聞いて、理解して、それから処理を進めていく必要があります。百戦錬磨のCLAでさえ、ビデオで語られる通り楽曲に求められるものが判るまでチェックを行うと話しています。トラックに処理が必要になるのはどんなときなのか、CLAからの熱いメッセージを体に染み込ませましょう。
冒頭でも書いた通り、この5編のムービーの中には具体的に「○○○のプラグインを△△△の値に設定して、XXXに使用すればいい音になる」といったTipsは一切含まれていません。どちらかといえば、心構えの部分がほどんどでしょう。
私が業務の上でお会いする国内のエンジニアさんたちの作業を拝見させていただくと、実に多くの方がこのCLA Tipsに近いことを「自然と」やっていらっしゃったなぁと記憶が蘇ります。やれば簡単なことでも、それが癖のレベルになるまで体に覚えさせることは、なかなか難しいものです。
人気記事
DiGiGridで制作の全てが変わった:OM Factoryセミナー(その4)
ここまで3回に渡りご紹介してきた、OMFACTORY大島氏によるプレミアムなDiGiGridセミナー。今回は「その4」をご紹介。いよいよセミナーは佳境。完成したばかりのOMFactory下北沢スタジオにて、大島氏が手がけた奥華子
自宅でドラムを録音する方法#2: マイクの選択と配置
ドラムの様々なマイクオプションのサウンドを聴き、様々なマイク配置とダンパーオプションの組み合わせが、最終的なドラム録音の音色にどのような影響を与えるかを学びましょう。
エレクトロ楽曲などに必須のダッキングは OneKnob Pumper で! - Waves Genius
ローエンド強化のプラグイン4つの適切な選び方
太くタイトなローエンドを得ることはミキシングにおける非常に重要な課題ですが、その秘訣は正しいツールを選択することにあります。4種類の異なるベース/サブ・プラグイン(Submarine, LoAir, R-BassとMaxxBass)
プロエンジニアをあなたのDAWに - Curves AQ Review by JUVENILE
音楽プロデューサー、ビートメイカーのJUVENILEです。Wavesのプラグインは僕がDTMを始めたときからずっと使っている仕事に欠かせない道具なのですが、今日は新製品であるCurves AQについてのレビューをさせて頂きた
8/16放送のDTM Station Plus、Desktop Series特集ダイジェストを公開。
Webメディア「DTMステーション」の生放送版として、藤本健さんと多田彰文さんがニコニコ生放送で配信する、DTM Station Plus。8月16日の放送では、発売されたばかりのDiGiGrid Desktopシリーズを特集、シンガーソン
人気製品
Abbey Road Saturator
アビー・ロード・スタジオ公認サチュレーション 伝説的なアビー・ロード・スタジオ公認の音楽的なサチュレーション&ディストーション。クラシックなチューブとトランジスタの音、僅かな歪みから極端な歪みまで。ア
AudioTrack
4バンドの完全パラメトリックEQ、コンプレッサー、ゲートを搭載、省スペースのオールインワンウィンドウを備えたオリジナルのチャンネルインサート・プラグインです。 AudioTrackのパラメトリック4バンドEQは、ベル
BB Tubes
さまざまなボーカルや楽器の音が、いまだかつて聴いたことのない「スピーカーから飛び出してくる存在感あふれるサウンド」に生まれ変わります。繊細な音から攻撃的なアナログの倍音まで、BB Tubes はあなたのミック
Linear Phase Multiband Compressor
アダプティブスレッショルドや自動メークアップゲイン、フィニットレスポンスフィルタなどの比類のない技術を採用しつつ、リニア位相マルチバンドは、優れたマルチバンド・コンプレッション、EQ 及びリミッティング
Magma Spring
「ノスタルジックなヴィンテージ」から「フレッシュなモダンサウンド」まで。さまざまな時代の特徴を持つスプリング・リバーブ・サウンドを切り替える事が可能です。
Eddie Kramer Guitar Channel
Eddie Kramer、Guitar Channelを語る: 「Guitar Channel plug-inはリードギター向けと2種類のリズムギター向けの設定をフィーチャーしている。 リードギターパートは、ライブ感や息をのむようなオーガニズムがあっ
Electric 200 Piano
スティービー・ワンダー、マービン・ゲイ、クイーン、レイ・チャールズ、ピンク・フロイド、スティーリー・ダン、稀代のアーティストたちが愛された、モデル200のエレクトリック・ピアノ。その刺激的で唸るようなリ
Electric Grand 80 Piano
エルトン・ジョン、ピーター・ゲイブリエルからハービー・ハンコックといった80"sポップス、ロック、R&Bのヒット曲で、そしてヴァンゲリスから現代までつながるエレクトロニック・ミュージックの分野でも、時代を形