検索
トップエンジニアに弟子入り!グレゴリ・ジェルメンのWAVESプラグイン実践テクニック 4(多段レイヤーのシンセミックス編)

トップエンジニアに弟子入り!グレゴリ・ジェルメンのWAVESプラグイン実践テクニック 4(多段レイヤーのシンセミックス編)

第一線で活躍するトップエンジニア、グレゴリ・ジェルメンさんをお迎えし、グレゴリさんが所属するDigz,inc.スタジオからお届けする「WAVESプラグイン実践テクニック」。実際にリリースされた楽曲を使用し、グレゴリさんのワークフロー、音の捉えかたや耳の傾けかた、最終的な仕上げかたを「弟子入り」したような気分で学べるビデオ記事その4をご紹介します。

2020.01.01

スタッフHです。

前回の「キーボード、ギター、ホーン、トリック編」に引き続き、今回は違うタイプのウワモノの扱い方について、グレゴリさんに解説していただいています。楽曲はBANANALEMONの(KEEP CALM IT’S)GIRLS TIME。ボーカル以外のトラックがほぼほぼシンセサイザーで作成されている、参考にしやすい楽曲とも言えます。


グレゴリ・ジェルメンのWAVESプラグイン実践テクニック
Vol.4(多段レイヤーのシンセ前編)

前回までのアップテンポの楽曲(I Wanna I Wanna)と異なり、スローでメロウなトラックに、多数のシンセサイザーが複雑に絡み合うトラック。冒頭でグレゴリさんも語っているように、シンセだけで作られている楽曲は周波数帯域が広範囲で埋め尽くされていることが多いため、EQをいかに使うかの戦略が重要になります。楽曲を聴き込むこと、アレンジで使われている楽器をそれぞれ認識することをまず行いましょう。

バンド単位で「ソロ」にできるWAVES F6(ダイナミックEQ)やH-EQ(ハイブリッドEQ)を用いて、問題のある帯域の特定からスタート。ソロ機能は非常に便利。私などは帯域の特定も苦手ですが、もっと苦手だったのがQ(幅)の設定。設定した周波数の左右に、どこまで影響を与えているのかということは、ソロ機能を使うことでより確実に、判別しやすくなります。

ビデオ中盤〜終盤にかけてはパッド系、プラック系、リード系のシンセがどうお互いに処理され、どう共存しているのかの処理が語られています。WAVESのプロセッサを複数使い分け、ミックスが彫刻的に仕上げられている過程を確認しましょう。


グレゴリ・ジェルメンのWAVESプラグイン実践テクニック
Vol.4(多段レイヤーのシンセ後編)

後編のビデオは、楽曲のメインとなるリードシンセへのプロセッシングからスタートします。グレゴリさんのプロセッシングはいつも繊細で丁寧ですが、主役となるリードシンセはいつも以上に繊細な処理が解説されています。ここの繊細さ、丁寧さはぜひ学び取りたいところ。

その後は、ここまで(前編を含む)に行った処理を全てオン・オフして確認。ここで確認すべきは、プラグインのオンオフで音量がほぼ変わらないところ。この点はグレゴリさんが何度も語ってきた大切なポイントです。「プラグインをかけた、音量が大きくなった、なんとなくいい感じに聞こえる」という処理は禁物ということが、この動作からも分かりますね。

ビデオ中盤からはグレゴリさんならではの「ミックスに奥行き、深みを与えるトリック」を一つ、紹介してくれています。使用しているプラグインはWAVESのScheps Parallel Particlesですが、ここはご覧のみなさまが考える他のものを想像しながら見ても面白いかもしれません。


ここまでキック&ベース(Vol.1)、ビート全体(Vol.2)、ギターや鍵盤楽器などのウワモノ(Vol.3)そして今回のシンセ編をご紹介してきましたが、次回は楽曲のメインとなるボーカル編に入ります。楽曲を使用させていたいただいているBANANALEMONさんは複数のボーカリストがいるグループ。多くの方に参考になるTips満載でお届けいたしますので、ご期待ください。

プロフィール

グレゴリ・ジェルメン

 

フランス生まれ、パリ育ち。 日本の文化に憧れて10代の頃から様々な日本の音楽に触れる。 20歳で来日し、レコーディングエンジニアを目指す為、音楽専門学校へ入学。 卒業後は、スタジオグリーンバードでアシスタントとして数多くのメジャーアーティスト、バンドの作品に参加。 日本語、英語、フランス語の三ヶ国語を巧みに操り、海外アーティストはじめ、海外プロデューサーとのセッションにも参加している。 そして、2011年Digz, inc Groupに入社。 ポップス、ダンスミュージックを中心にハウスエンジニアとして活躍。 2015年には世界のトップエンジニアだけが参加できる「Mix With the Masters」に世界各国から選ばれたエンジニアの一人として参加。 南フランスにある「La Fabrique」というスタジオにてTony Maseratiからトップクラスのミックステクニックを学ぶ。 レコーディング&ミックスをメインとしながらも、スタジオ管理、メンテナンス、音響デザインまで幅広く担当している。

 

プロモーション

人気記事

LV1&SuperRack専用iPadアプリ「MixMirror」リリース
LV1&SuperRack専用iPadアプリ「MixMirror」リリース

Waves eMotion LV1ライブミキサーとSuperRackをコントロールするタブレット用リモートアプリ「MixMirror」が2024年1月22日に発表いたしました。iPadにインストールすることで会場のどこからでもプラグインをコントロ

ベーシックなボーカル処理を再確認しよう
ベーシックなボーカル処理を再確認しよう

今回ご紹介するのは、人気のMixがうまくなるTipsより、「ベーシックなボーカル処理を再確認しよう」です。

リズム隊のミックスTips! – Vol.7 ギター後編
リズム隊のミックスTips! – Vol.7 ギター後編

前回のギター前編に続き、今回はギター後編をご紹介。ムービー前半はメロディーラインのようなアルペジオの処理、後半は「歪んだギターの壁の作り方」ステップの解説となっています。

Waves CA導入事例:ラスベガスの高級ラウンジのサウンドをブラッシュアップ
Waves CA導入事例:ラスベガスの高級ラウンジのサウンドをブラッシュアップ

AVインテグレーション、デザイン、エンジニアリングのリーディングカンパニーとして知られているNational Technology Associates(以下NTA)が米国ネバダ州ラスベガスの新しいダイニング「Todd English's Olives」の

Waves Curves EquatorとIDX Intelligent Dynamicsプラグインの違いとは?
Waves Curves EquatorとIDX Intelligent Dynamicsプラグインの違いとは?

Waves Curves EquatorとIDX Intelligent Dynamicsは、どちらも音のインパクトやクオリティを向上させる設計になっています。この記事では、それぞれのプラグインがどのように機能するのか、どんな場面で、なぜ両方を

プラグインチェインを活用して作曲やミックスの作業効率アップ!WAVESの無料プラグイン「Studio Rack」をレビュー!
プラグインチェインを活用して作曲やミックスの作業効率アップ!WAVESの無料プラグイン「Studio Rack」をレビュー!

「Studio Rack」は、所有しているプラグインを読み込んで自分だけのエフェクトを組み合わせたプラグインチェインが作れるWAVESの無料プラグインです。新たに公開されたStudio Rack V14ではサードパーティ製のVST3プ

人気製品

Ultimate
Abbey Road Studio 3
Abbey Road Studio 3

数え切れないほどの傑作と伝説を生み出してきた英国アビーロード・スタジオの『Studio 3』 コントロール・ルーム。Waves Abbey Road Studio 3は、Studio 3の音響環境そのものをヘッドフォンに再現するプラグインです

Ultimate
API 550
API 550

60年代後半に誕生し、API独特のパワフルかつ滑らかなキャクターを決定づけた伝説的レシプロ・イコライザーを、プラグインで再現

Ultimate
CLA-3A
CLA-3A

ユニークで非常に透明感のあるコンプレッションカーブを持つことで知られる70年代初期のソリッドステートユニットをベースに開発されたCLA-3Aは、実機同様に素早いレスポンスと繊細な倍音歪みを提供します。オリジナ

Ultimate
Essential
Berzerk Distortion
Berzerk Distortion

ワイルド、クレイジー、クリエイティブなディストーションのための強力なプラグイン。全10種類オリジナルのディストーション波形、アドバンスドフィードバック、ピッチ、ダイナミクス、サイドチェイン、M/Sプロセッ

Ultimate
CLA-2A
CLA-2A

伝説的なエレクトロ・オプティカル(電気光学式)チューブコンプレッサーをモデリングしたCLA-2Aは、世界中のエンジニアのお気に入りとなった、オリジナルのスムースで周波数追従型の動作を再現しています。60年代中

Ultimate
Essential
DeEsser
DeEsser

ボーカルトラックから過剰な歯擦音("エス"や"シッ"など)を軽減することに関して、Waves DeEsserに勝るものはありません。ヴィンテージギアから多大な影響を受けた検知と、高域へのリミッティングが特徴のDeEss

Ultimate
Essential
Eddie Kramer Effects Channel
Eddie Kramer Effects Channel

Eddie Kramer、Effects Channelを語る: 「Effects Channel プラグイン用に、私は音を絵の具を塗るように使う、基本的ないくつかの要素を再現することから始めたんだ。そして何年もの時間をかけ、これらの要素がウィ

Ultimate
Essential
DeBreath
DeBreath

シンガーは、たとえテイクが台無しになってしまおうともブレス(息継ぎ)で主張をするものです。DeBreathを使えば、そんなブレスをエンジニア好みに軽減、あるいは除去することができます。つまり、シンガーはエンジ

Products
Promotion
Solution
Contents
Support
Company
Instagram YouTube