アメリカ大統領就任式パレードの音声ミックスに使われたWaves eMotion LV1ライブコンソール
2021年2月26日、テネシー州ノックスビル、AV/ライブサンド制作会社のBNY Productionsは、アメリカ大統領就任パレードの放送用音声のミックスという大仕事のためにWaves eMotion LV1ライブコンソールとWavesプラグインを導入しました。
2020.05.10
アイオワ州スーシティを拠点とするBNY Productionsは、政治集会やスピーチ、その他様々なイベントのライブストリームのミキシングにWaves eMotion LV1を使用しています。
今回はBNY Productions Kristijanto(クリスティヤント)氏に、eMotion LV1を選んだ理由を伺いました。
本当の課題は機材がカメラに映らないよう隠すことでした
"2021年の就任式では、パレードでのミキシングを担当しました。今回は感染症対策のためライブの観客数は限られていましたが、パレードの道中には多くの報道陣が散らばっていました。私たちはPA用のミキシングも行いましたが、観客が限られていたので、音声を直接中継車に送り、プレスがそれを放送しました。
しかし、本当の課題は、至る所にカメラが設置されているので、機材がカメラに映らないよう隠すことでした。そこで、WavesのeMotion LV1が救世主となりました。これほどまでに素晴らしいサウンドを奏でるコンソールは他にはありません。制作現場のニーズがどれほど厳しいものであっても、どこにでも設置することができますし、オーディオのクオリティーも妥協ないもので、従来の最高級コンソールと比べても遜色ありません。
eMotion LV1の設置場所の小ささ、モジュラー式に構成できること、そして素早いセットアップは、この状況では必要不可欠なものでした。通常のサイズのコンソールではセットアップが可能なスペースがなかったため、プレス用のスタンドの下の非常に狭いスペースにLV1用の機材をすべて配置する必要がありました。これは他のコンソールでは絶対にできないことです。既存のコンソールではここには収まらなかったでしょう。今回の現場では、数え切れないほどの要件の変更が土壇場でもありましたが、この最小限のスペースでも必要な要求に応えることができ、とても助かりました。"
あっという間に準備が整いました
「このイベントの成功には、迅速なセットアップの時間が不可欠でした」と、Kristijanto氏は言います。
"このイベントのセットアップには3日間が必要でしたが、セキュリティの関係上、時間や場所へのアクセスが制限され、さらに毎晩セットアップをばらして毎朝セットアップし直す必要がありました。想像するだけで大変です。しかしeMotion LV1のおかげで、苦労も最小限で済みました。柔軟性の高いシステムなので、設置も撤収も簡単。毎日の開始時点ですべてのセットアップが完了し、あっという間に準備が整っていました。"
"パレードのルートに沿って3組のLV1システムとマイクを用意し、各プレス用のスタンドに1組づつ設置しました。これにより、それぞれの場所で独立してミックスを行うことができ、クライアントは『VOG(Voice of God)』のナレーションをいつどこで使用するかを直前に決めることができるようになりました。また、VOGのナレーションやBGMを、どのプレス用のスタンドからでも供給できる柔軟な対応ができました。3台のLV1コンソールはすべてSoundGridを介して冗長化された光ファイバーで接続されています。すべてのコンソールとI/Oを1つのネットワークで接続することで、デバイスの障害が発生した場合に備えて、冗長性を確保することができました。
eMotion LV1ミキシングソフトウェアに加え、各交差点にDiGiGrid IOXオーディオ・インターフェースを設置、全てのeMotion LV1は Waves SoundGridサーバで冗長性を確保しました。リダンダント用のサーバーは必要不可欠でした。冗長化されたサーバーがあれば、万一の場合も中断することなくシームレスにストリーミング処理を続けるため、100%の信頼を置くことができました"
困難な状況下でも、どこでも使用できる
"LV1の最大の利点は、ミキサー内にシームレスに統合されたWavesプラグインを使ってミックスで切ることです。就任式では、車のエンジン音などを除去するためにWNS Noise Suppressorプラグインを使用しました。全員がLV1のチャンネル・ストリップ内のeMoシリーズ・プラグインを使っています。eMo Q4で少しEQをかけ、eMo D5で少しコンプレッションをかける。それだけです。そしてWLM Plusラウドネスメーターでモニターされ、誰もが適切なレベルの音をプレスに送ることができるようになりました。"
"LV1の音質、使いやすさ、携帯性の組み合わせは全く新しいものです。2016年に初めてeMotion LV1を選んだ時点で、非常に柔軟性のあるツールであることはわかっていましたが、この日は、その汎用性と柔軟性で想像以上に大きな課題へのチャレンジを求められました。特に今回のパンデミックでは、その汎用性と柔軟性が想像以上に大きな課題に対応してくれました。このシステムはどこにでも設置できます。放送スタジオでも、PAが必要あんイベントでも、そして困難な状況下でも使用できる。本当に素晴らしいコンソールです。そしてオーナーとしての最大のメリットは、その投資収益率です。"
最後に、Kristijanto氏はこう締め括ります。
"今回はWAVESの真摯な対応にも助けられました。彼らはイベント中ずっと専属の技術サポートをスタンバイさせてくれましたし、Wavesのプロダクト・スペシャリストも今回の仕事に常駐してくれていました。まるで私達の方を7万ドル以上もするコンソールのユーザーであるかのような手厚いバックアップでした。"
編集注:本記事は www.waves.com に掲載されたものを Waves Audio, Ltd.の許可を得て、(株)メディア・インテグレーションが翻訳したものです。
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