ディエッサーを使って甘いギターサウンドを作ろう!
実はDeEsserは、ボーカル以外にも有効なツールなんです。レコーディングやアンプ・シミュレーターでのギターサウンドをより甘く、より暖かいトーンを得る使い方をご紹介します。
2021.06.30
DeEsser、特にRenaissance DeEsserは、ボーカルの歯擦音の除去だけではありません。ギターの 「インテリジェント・トーン・コントロール 」としても機能します。
弦を強く叩いたり、ディストーションを使ったりする場合、ギタリストはトーンコントロールを下げ、高音を抑えた、より甘く、より暖かいサウンドを目指します。しかし、常にトーンコントロールを下げるわけにはいきません。力を抜いて演奏すると、音が小さくなりすぎてしまうのです。もしも、高音域の量に応じて自動的にトーンコントロールが下がるような「インテリジェント」なトーンコントロールがあれば......。
なんて方に朗報!Renaissance DeEsserがまさにそれを実現!このテクニックは、GTR3やPRS SuperModelsのようなバーチャル・アンプでのレコーディングや、少しきついエレクトリック・ギター・ステムをミックスする場合でも有効です!
Renaissance DeEsserをアンプ・シミュレーターの前に置くか(このテクニックは特にハイゲイン・アンプで効果を発揮します)、レコーディングの最初のインサートとして配置しましょう。
DeEsserを適切に設定すれば温かく滑らかなギター・トーンが得られます。さらに音を明るくしたい場合は、アンプの後に緩やかなシェルビングEQを挿入します。粗さが減って、より甘く明るい音になります。
何はともあれ実践!
- Renaissance DeEsserは、アンプの前、またはレコーディングのセッティング時にはエフェクトの先頭にインサート。
- フィルタータイプを "バンドパス"、コンプレッションモードを "スプリット "に設定。(画像②)
- Range = -48.0、Thresh = -80.0に設定(画像③)。
- DeEsser Sidechain(画像④)を有効に。アンプをONにしてギターを激しく弾く。
- DeEsser Sidechainを無効(画像④)にして演奏すると、甘美なギターサウンドが!
一般的には、これらの極端な設定が最も効果的であることが知られています。ここから変化させる場合でも良い出発点となります。 ダイナミクスの効いたギターリードの場合は、もう少し緩やかな設定にするとよいでしょう。
ここでは演奏中の「最も厳しい」部分での問題となる周波数を特定します。最も不快で厄介な音が見つかるまで、周波数コントロール(画像⑤)を変化させてみましょう。おそらく、2~5kHzの範囲にある場合が多いです。不快な音が見つかったら、その周波数に設定します。
オーディオの例では、Renaissance DeEsserをバイパスした状態でパワーコードを演奏し、その後Renaissance DeEsserを有効にして同じコードを繰り返しています。
いかがだったでしょうか。ボーカルに使うイメージが強いディエッサーですが、こんな使い方もできるんですね。ぜひ活用してみましょう。
さあ今回得た知識を活用し、制作を始めましょう。
人気記事
Waves NLS 〜デジタルにアナログ特有の歪みを〜
デジタルレコーディング環境に物足りないとされる「何か」を補完する製品は、市場に数多く存在する。ビンテージのコンプやEQを通したような質感と効果が得られるもの。テープを通した時の味わいを付加してくれるもの
9mm Parabellum Bullet 配信ライブの裏側
2020年6月30日に行われた9mm Parabellum Bulletの配信ライブにて、WavesLiveの先進的なライブコンソールであるe-Motion LV1と伝統と革新を併せ持つLewittのマイクを使用していただいた。 今回は9mm Parabellum Bulle
リズム隊のミックスTips! – Vol 3 スネア処理編
好評連載中、オフィスオーガスタの佐藤洋介さんによる「リズム隊のミックスTips」。今回は3本目となるスネア処理編です。BFD3を使用したTips記事ですが、他社のドラム音源でも、実際のドラムレコーディングでも有効
ブラス音源をよりリアルに仕上げるTips!
高価なブラス音源を買ったのに、ミックス内ではなんだか平たい音になってしまう。そんな悩みを解決するMixが上手くなるTipsをご紹介。
WAVES GOLD vs Sound Design Suite、どちらを選ぶ?
今や約170個にも及ぶプラグイン数を誇るWAVESプラグイン。今回はその中でもオススメの2つのバンドルをご紹介します。収録プラグインにどのような違いがあるのでしょう。ここではその違いについてピックアップしてみ
LV1&SuperRack専用iPadアプリ「MixMirror」リリース
Waves eMotion LV1ライブミキサーとSuperRackをコントロールするタブレット用リモートアプリ「MixMirror」が2024年1月22日に発表いたしました。iPadにインストールすることで会場のどこからでもプラグインをコントロ
人気製品
Abbey Road RS124 Compressor
まさにアビー・ロード・スタジオで行われた、ビートルズの全てのレコーディングで聴けるトーンを。2つの異なる「フレーバー」を選択できるこのクラシックな真空管コンプレッサープラグインは、アビー・ロード・スタ
API 2500
API 2500はAPIパンチ感とAPI独自のトーンを得られる、ダイナミクス・プロセスツールです。デュアルチャンネル・デザインにより、API 2500は1つのコンプレッサー設定で2つの独立したモノ・チャンネルとして動作させる
AudioTrack
4バンドの完全パラメトリックEQ、コンプレッサー、ゲートを搭載、省スペースのオールインワンウィンドウを備えたオリジナルのチャンネルインサート・プラグインです。 AudioTrackのパラメトリック4バンドEQは、ベル
CLA-2A
伝説的なエレクトロ・オプティカル(電気光学式)チューブコンプレッサーをモデリングしたCLA-2Aは、世界中のエンジニアのお気に入りとなった、オリジナルのスムースで周波数追従型の動作を再現しています。60年代中
CLA Epic
ミックス界のレジェンドであるクリス・ロード・アルジが所有する最高のスタジオ機材をベースにした、それぞれ4つのお勧めディレイとリバーブを1つのプラグインにまとめました。 ブレンド、レイヤー、内部的にエフェ
CLA MixHub
エンジニアのコンソール・ワークフローを完全再現する こんなプラグインは、かつてありませんでした。CLA MixHubは、スタジオの神話とも謳われた名エンジニア、クリス・ロード・アルジによる、濃密でなめらかなアナ
Clarity Vx DeReverb
AIを使って、どんな部屋でも、どんなボーカルでも使えるようにしましょう。Clarity Vx DeReverbがその作業を代行し、プロフェッショナルなサウンドのボーカルとダイアログのレコーディングを瞬時に、最高の忠実度で
Doubler
優れた「ダブルトラッキング」エフェクトをお望みのミュージシャンやオーディオエンジニアに、Doublerをお送りしましょう。Doublerは新しいサウンドを創り出すディレイおよびピッチモジュレーションです。他のディレ