WavesのAI、StudioVerseでミックスをよりクリエイティブに!
Wavesが発表したAIによるミックス・プラットフォーム、StudioVerse。トラックにインサートしたプラグインから「Scan(スキャン)」をするだけで、そのトラックに最適なチェイン(複数プラグインを並べたもの)をいくつも提案してくれる、というもの。 例えばボーカルなら、これまで「EQでピークを取って、コンプでレベルを均一にして、色付けのEQやコンプをまたかけて、ディレイやリバーブで広げて」なんて作業をしてきたと思いますが、トップクリエイターやエンジニアが作った膨大なプリセットから好きなチェインを選ぶだけという簡単さ。しかも、スキャンしたオーディオをもとにAIが絶妙なEQやコンプなどのセッティング違いを適切に提案してくれるため、大幅な時短にもなることでしょう。 早速、いくつかの素材で試してみましょう。
2023.04.11
StudioVerseのご利用にはサブスクリプションプランがおすすめです
※永続版のWavesプラグインでもStudioVerseはご利用いただけます
MIオンラインストアへ移動するStudioVerseのAIアクセス方法
従来からあるWavesのプラグイン・チェイナー、StudioRackをトラックにインサート。StudioRackの中で、WavesプラグインやVSTプラグインを複数並べて起動させることができますが、この画面上部に「StudioVerse」ボタンが追加されています。これを押してStudioVerseを開いてみましょう。
試すのはアコースティックギターのアルペジオトラック。StudioVerseのAIはどんな提案をしてくれるのでしょう?StudioVerseを開き、いくつかのチェインを試し、チェインの中身を見てみた動画がこちらです。
音を読み取って、AIが「これはアコースティックギターだね、じゃあこんな感じのプリセットはどう?」とたくさんのチェインを提案してくれます。あとは、自分好みのものを選ぶだけ。自分のイメージに近いものから選んでもよし、自分では思いつかなかったクリエイティブなエフェクト処理のものを選んでもよし。StudioVerseはアイディアの宝庫ともいえますね。
アコギなら全部一緒?
音を聞き取ってAIが提案してくる、ってことは、アコースティックギターならどれでも同じプリセットが提案されるのかというと、もちろんそんなことはありません。例えば右手でミュートしたギター、アルペジオ、リード、ストロークなど奏法や内容に応じて提案チェインも変わります。試しに右手でミュートを加えたアコースティックギターをStudioVerseに読み込ませてみると...
ばっちり、ミュートギター用のチェインが並びました。絶妙な補正系もあれば、クリエイティブなエフェクトを多用したものまで、幅広く並びます。
ボーカルも試してみよう
ボーカルではどうでしょう。さっそくボーカルトラックにStudioRackをインサートし、StudioVerseでトラックをスキャンしてみると、こんな感じのチェインが並びます。いくつか試してみました。
女性ボーカルということもあり、EQやディエッサーなどのセッティングも「この声質に適した」ものが並びます。中にはビヨンセとか、ラナ・デル・レイとか、リアーナなど、実際にそれぞれのアーティストを手がけたエンジニアが作成したチェインもあります。あとは、好きな響きのチェイン(プリセット)を選ぶだけです。
ただ選ぶだけ?
StudioVerseが提案するチェインは、いくつものプラグインを並べて作成されています。ものによっては信号を帯域別に分けて処理したものであったり、パラレル処理したりのものもあります。トップエンジニアやクリエイターが作成したものなので「プロが見ても難しい処理」のチェインもあることでしょう。例えばこのボーカル用のチェイン、私はぱっと音が気に入ったので選んでみましたが、中身はこんなに複雑です。
- REQとRCompでベーシックな処理、H-Compでパンチ感を出す
- Sibilanceでサシスセソを抑え、VEQを通してアナログ質感の付加
- トラックを7つに分け、リバーブやディレイ、ダブリング、オーバードライブなどをパラレル処理して再度ミックス
....私はエンジニアでもクリエイターでもないので、正直この中身は複雑すぎて、ここから微調整しようという気も起きません(数えてみたら13種ものプラグインを使っている)。じゃあもう「ただ選ぶだけ」しかないのでしょうか?
いえいえ。そこはもちろん大丈夫。チェインの中から「主に調整に使いそうなパラメータ」をピックアップしてマクロに並べられています。「ちょっと高域が足りないな」「音が広がり過ぎだから、ちょっと幅を狭めたい」「もうちょいパンチが欲しい!」なんて調整は、1ノブだけで行うことができます(背後ではプラグインチェインの中の特定のものを予めアサインしているのですが、使う側は何も気にしなくてOK)
もちろん、DAWに慣れた方やチェインを見て内容がわかる方なら、1つ1つのプラグインを見て調整してもいいでしょう。既に必要なプラグインはバーっと並んでいますので、いちいち起動させる手間もありません。
単体の楽器から、バスやマスターも
StudioVerseのAIは、単体の楽器だけでなくバスやマスターの膨大なチェインも用意されています。AIが誤解をしないよう、キーワードに"Master"とか"Bus"と入力しておき、オーディオをスキャンすれば間違いのない候補が提案されることでしょう。
タグによるキーワードも充実しています(現在はまだ英語のみ) 音楽ジャンル(RockとかFunkとか、BalladとかJ-POP/K-POP、Synth POPなどほとんど網羅)もあり、気分や雰囲気(DreamyとかDirty、8bitとか80sとか、Chinematic...等々)でもOK。フリーワードまで対応し、ユーザーはプリセットを選んで、必要なら微調整して、もっと必要ならさらにプラグインを追加して音楽を仕上げることが可能です。
StudioVerseはミックスに不慣れなクリエイターやシンガーの大きな手助けとなるだけでなく、DAWに慣れたユーザーやプロの方々の時短ツールとしても優秀なプラットフォーム。優秀なアシスタントであるだけでなく、優秀なアドバイザーでもあります。しかもそのアシスタントorアドバイザーが、世界のトッププロだらけという豪華さは特筆しておきたいところです。
WavesはこのStudioVerseによって、「音楽を作りたい」という方の裾野を大きく広げました。AIを導入しているものの、「これが正解」という割り切りをせず、いくつかの提案をユーザーに行って、その中から好みを選んでもらいたいというスタンス。誰でもミックスを楽しめてハイクオリティに仕上がりますが、経験を積んだプロの方ならそこからさらにオリジナリティ溢れるミックスを作る手助けにもなるでしょう。
StudioVerseは永続ライセンス版、サブスクリプションプラン(Waves Creative Access)のどのWavesユーザーでもお使いいただけますが、膨大なチェインをフルで生かすならサブスクリプション・プランがおすすめです。
StudioVerseのご利用にはサブスクリプションプランがおすすめです
MIオンラインストアへ移動する製品情報はこちら
Waves Creative Access詳細はこちら
220種を超えるWavesプラグインを常に最新の状態で使用し、トップクリエイターや世界中のユーザーとAIプリセットを共有できるStudioVerseを使用できるWavesの新しいプラグインのサブスクリプション・プランです。Wavesの全プラグインを使用できるWaves Ultimate、110種のプラグインを使用できるWaves Essentialの2つのラインナップで、1ヶ月から1年まで使用したい期間に併せたプランからご利用いただけます。
StudioVerse
「知識の壁」を破る革新的なAIサーチ機能を搭載したプラグインチェイン・プリセットコミュニティ
プロモーション
Waves Early Black Friday Week1
Waves Early Black Friday Week1 開催!
2022年6月28日開催。かごめPセミナー第2回!
Wavesで行う最新ボカロプロセッシング
2022年7月22日開催。かごめPセミナー第3回!
Wavesで行う最新ボカロプロセッシング
2022年12月27日開催。かごめPセミナー最終回!
かごめPの 音作りの鍵は歪みだ!
2022年5月6日に開催したかごめPによる「WAVESセミナー」アーカイブを公開中!
サンレコとWAVESのコラボイベント
2022年9月1日開催。かごめPセミナー第4回!
Waves Harmony 徹底解剖&実践講座
人気記事
WAVESがV15へ。メジャーアップデートをリリース
30年以上もの間、WAVESはプラグイン・エフェクトの世界的ディベロッパーとして、音楽制作の現場を支えてきました。この度、WAVESはV15へのメジャーアップデートをリリースいたします。
WavesのAI、StudioVerseでミックスをよりクリエイティブに!
Wavesが発表したAIによるミックス・プラットフォーム、StudioVerse。トラックにインサートしたプラグインから「Scan(スキャン)」をするだけで、そのトラックに最適なチェイン(複数プラグインを並べたもの)をいく
音楽的なノイズ除去を。シンプルに使えるWAVES Restoration術
ひと昔前のレストレーション用ソフトウェアといえば非常に高額でした。かつて私が使っていたレストアのソフトも200万円以上はしたと思います。そんな高価なソフトウェアでしたが、処理能力が低いためリアルタイムの
WAVESがV12へ。メジャーアップデートをリリース
28年もの間、WAVESはプラグイン・エフェクトの世界的ディベロッパーとして、音楽制作の現場を支えてきました。この度、WAVESはV12へのメジャーアップデートをリリースいたします。
EQを目的で使い分ける
EQ は一般的に操作が簡単ですが、ミックスのクオリティーに大きな影響を与えます。複数のトラックにまたがるさまざまな音のバランスを調整し、ミックスを心地よくトリートメントします。パズルのピースを組み合わせ
2つめのライセンスを追加! Waves Update Plan(WUP)の更新
Waves Update Plan(WUP)のポリシーが変更になりました。WUPは、製品ライセンスの最新バージョンへのアップデート保証に加え、様々なサービスが含まれます。これまでの適用期間内の最新バージョンのライセンス、ボ
人気製品
Z-Noise
これまで、ノイズのみの部分からノイズ・プロファイルを作成する必要があったノイズ処理プラグインに、再生中にリアルタイムにノイズ・プロファイルを検出するアダプティブ・モードを追加したZ-Noise。ミックス素材
X-Hum
X-Humはオーディオ品質を維持しながら、ランブルノイズや、DCオフセット、ハムノイズを除去・低減するプラグインです。ハムノイズは、グランドループ回路に問題が発生した際に引き起こされ、通常その国で使用されて
X-Noise
テープヒス、空調、コンピューターノイズを取り除く理想のプロセッサー 既存のダイナミックスプロセッサーに似た誰にでも使いやすいX-Noiseは 各トラック、コンプリートミックス、損傷した録音などからテープヒス、
UM225 / UM226
ステレオ素材をサラウンドソースへとリアルタイムにコンバート、帯域バランスなどの調整も可能なプラグイン。UM225/UM226 Stereo-to-Surround Processorは、2chのステレオ素材を5.0ch/5.1chのサラウンドソースへとリ
X-Click
Waves X-Clickは、オーディオ品質を維持しながら、突発的なクリックノイズを除去・低減するプラグインです。デジタルスイッチングやクロストークから生じる鋭いスパイク波形はもちろん、78回転のSPレコードや通常の
DTS Neural™ Surround Collection
DTS Neural Surround Collectionは、DTS®からの公式ライセンス許諾されたプラグインです。3つのプラグインにより、ステレオソースを5.1、7.1chにアップミックス、7.1、5.1chをステレオにダウンミックス、そしてモノ
X-FDBK
完全自動化された、モニター/PAのフィードバックを解消するためのプラグイン・ソリューション X-FDBKは、フィードバックの原因となる周波数帯を的確に特定し、まるで外科手術のような正確さで取り除く、PAスピーカー
Dorrough Surround
Dorrough Meter Collection - Surroundは、サラウンド制作環境に特化して設計されたカスタマイズ・メーターを持つ、プロフェッショナルなメーター・プラグインDorrough Meter Collectionの完全版です。 ステレオ版に