リズム隊のミックスTips! – Vol 5 ドラムバスミックス編
いよいよリズム隊のミックスTips ドラム編もラスト。今回はドラムを1つのバスにまとめたバスミックス編です。
2020.01.01
今回は冒頭より「このバスはクリップしてしまっていて、本来ならドラムの各パーツを一度に下げればクリップしない事は分かっているのですが」という前提で始まります。
最初のプロセッサーとして登場するのは、H-Comp。製品名のHは「ハイブリッド」を意味しており、往年のアナログコンプの味わいや倍音の伸びを持ちつつ、近年のデジタルコンプの正確さ、便利さを併せ持ったコンプなのです。
通常のコンプではなく、このH-Compが採用された理由は、このコンプにしかない特別なパラメータ「Mix(コンプが掛かった音と、掛かっていない原音を混ぜる)」があるため。
コンプレッションされたサウンドを噛ませつつ、原音のニュアンスをブレンドすることでドラムに「一体感」を出す、という作業について解説しています。
H-Compならではの機能は他にもあります。リリースタイムの考え方、コンプレッション(=潰す)しているのにアタック感を出すなど、いずれもミックスの中でどのような役割に繋がるのかを確認しましょう。
ドラムバスにはもう1つのプロセッサー、L1が使用されています。これは、デジタルピークを回避しつつ、音圧を稼ぐためのツール。このL1から続くLシリーズ(L2、L3、L3-16など)はより最新のプロセッサーがリリースされているにも関わらず、ここでは最も古株ともいえるL1を使用。
ビデオの中で注目すべきは、どんな結果が欲しくて、どれくらい潰しているのか。佐藤さんはビデオ中で「1つ1つのパーツの響きがちゃんと前面にでてくるように」と語っていますが、これがどれくらいのさじ加減なのかという感覚を養いましょう。
最後には、ドラムトラックがどのような音であることが(今回の曲の)理想であるか、何を大事に最終の音決めをしたかについての解説。これにて、ドラム編が(一旦)終了となります。次回は、ドラムの相棒であるベース編・リズムギター編に突入です。
講師プロフィール
人気記事
音をぶっ壊したい![MDMX OverDrive] - Waves Genius
Mix with Waves 「Renaissance Maxxでハイハットを処理してみよう」 編
ミックスをこれから始めよう、という方は、きっと様々なウェブサイトや友人からの情報を聞いて徐々に勉強をされていくことと思います。もちろん、ミックスに正解はないので自由にやることが1番ですが、EQやコンプな
ロッド・ウェイブ、ジャスティン・ビーバーのボーカルサウンドを作る7つのテクニック
エンジニアでもあり、プロデューサーでもあるトラヴィス・ハリントン(ロッド・ウェイブ、ドレイク、ジャスティン・ビーバー)は、ロッド・ウェイブのツアー中にホテルの部屋でトップチャートに入るレコードを制作し
My Favorite Waves ─ 福井 シンリ(作・編曲家)
S1 Stereo Imagerは下積み時代にお世話になったエンジニアさんが愛用してたのを機に自分も虜に。今ではマスターTrに必ず挿してうっすら音場を広げる隠し味的な感じで愛用してます。
はじめてのミックス:1分で解説:音の奥行き #1(DAWミックスを学ぶ)
人間の耳は、音の立ち上がり(トランジェント)でその音が近いか、遠いかを判断します。トランジェントが強い音は近く感じ、反対もまた然りです。
完璧なローエンド・トリートメントのための3つのプラグイン
ミックスが進むにつれ、最も頭を悩ませる課題の1つにローエンドの処理があることでしょう。憧れのレコードで聴けるような図太く存在感のある低域を作ろうとしてお気に入りのEQを使ってローエンドを上げてみたり、ヴ
人気製品
Bass Fingers
ベースの奏法の中でも最も微細なニュアンスを表現するフィンガーピッキング(指弾き)を再現。リアルなサウンドのベースラインや経験豊富なベースプレーヤーの個性的なサウンドを、キーボードで直感的に演奏すること
Clavinet
スティービー・ワンダーの「Higher Ground」や「Superstition」、ビリー・ブレストンの「Outta Space」など、ファンキーな音楽にクラビネットの音を取り込んだヒット曲は数多くあります。1970年代、ファンキーなディ
Clarity Vx Pro
Clarity Vx Proは声専用のリアルタイムノイズリダクションです。Waves Neural Networks®を搭載し、複数のノイズ除去タスクを1度に実行。一瞬の分析でダイアログをアンビエンスから分離し、わずかな作業時間で、ノイ
Abbey Road Collection
あまりにも有名なビートルズのアルバムジャケット、その信号の先には、彼らにまつわる幾つもの逸話と、音響実験によって作り上げられた名作アルバムの誕生地があります。音楽に伝説はつきものですか、21世紀の音楽、
JJP Analog Legends
全てのアートカルチャーと同じく、音楽にも流行り廃りがあります。ある時代に持てはやされるスタイル、ジャンル、それにまつわる楽器・機材も常に移ろっていきます。しかし、マスターピースと呼ばれる作品を作り上げ
Mercury
音楽、映像、ライブ、放送、配信、設備、インスタレーション、アーカイブ。かつては分野や過程ごとに専業だったサウンドに関わる多くの作業は、近年ますます複雑にクロスオーバーするようになっています。音楽制作だ
OneKnob Series
ノブ一つ回せば、ボタン一つ押せば、どんなトラックもそれだけで最高のサウンドに仕上げてくれる。まるでSFに出てくる未来の道具。それはミュージシャンやプロデューサーだけでなく、エンジニアにとっても夢のような
SSL 4000 Collection
レコーディングにおいてデシダルが主流となるより前から、一貫した原音忠実なサウンドと、切れ味の良いEQ、そしてダイナミクスプロセッシングも組み込んだアナログコンソールの完全体を追求してきたのは、他ならぬSo