
DiGiGridで制作の全てが変わった:OM Factoryセミナー(その4)
ここまで3回に渡りご紹介してきた、OMFACTORY大島氏によるプレミアムなDiGiGridセミナー。今回は「その4」をご紹介。
いよいよセミナーは佳境。完成したばかりのOMFactory下北沢スタジオにて、大島氏が手がけた奥華子さんの楽曲制作からレコーディング、ミックスまで。「DiGiGridを導入することで、こんな制作環境が整う」というイメージがしやすいセミナーだ。
2020.01.01
大島氏が奥華子さんの楽曲アレンジに携わるようになったのは、2作品前から、という所から解説はスタート。
話題は制作に取りかかるまでのところ。工事が完成していなかったOMFactoryの下北沢新スタジオで、事務所たっての希望もあり制作・レコーディングを進めた、というストーリーが語られる。本セミナーで「制作秘話」として使わせていただいたのは、奥華子さんの「君がくれた夏」。映画「あしたになれば。」の主題歌としても使用されている楽曲。
実は本セミナーは、奥華子さんのレコード発売「前」に実施させていただいた。大島氏のセミナーということで、関係各社が特別に許諾をしてくださったからだ。発売前のレコードを個別のトラックで聞くという貴重な機会を頂き、セミナーは進行する。
冒頭より、発売前であった奥華子さんの曲「君がくれた夏」をプレイバック。著作権の関係上、ムービー上ではわずかな時間の再生になってしまっているが、実際にセミナーに参加していただいた方にはフルコーラスで体感いただいている。
今回のセミナーはDiGiGrid + Wavesを主体としたイベントだったが、大島氏が「せっかく奥華子さんの楽曲を使ってセミナーができなら、実際に制作で使用したハードウェア・ソフトウェアを偽りなく揃えたい」というリクエストのもと、DiGiGrid・WAVES以外の製品も登場する。大島氏によれば、
「DiGiGridが登場したとき、それまでメインで使用していた各種のI/O、アウトボードやプロセッサー、そういったものを全て入れ替える必要があるかもな、と覚悟を決めていた(それほどDiGiGridの優位性に惚れた)けど、びっくりするほどすんなり自分のシステムに溶け込んでくれた」
とのこと。このムービーでは、現在大島氏が使用している複数のシステム(外部プロセッサーやアウトボード、UAD、Line6などについても触れられている。
次のムービーは個別トラックの処理に使用したプラグインと、その効果について。ソフトウェア音源のドラムトラック、ボーカルなどをソロにしてチェックしている。
ビデオ後半の3:30辺りからは、DiGiGridだからこそ得られた環境について解説されている。
本作のレコーディング中、途中で「一部の歌詞を変えたい」ということが起きた。変更があった部分だけを歌い直すことで問題は解決するが、大島氏はさらにアーティストのパフォーマンスを最大限に引き出す手法を、DiGiGridによって作り上げている。
ネイティブDAW環境はこれまで、レイテンシーとの戦いが常につきまとっていた。ここまで大島氏の解説にもあった通り、どんなにハイスペックなPCを使用しても越えられない壁もある。
DiGiGridを導入することで、そういった今までの悩みからも解放されたという大島氏。次のビデオ冒頭からはそこの解説からスタートする。
レコーディングが終わり、ミックスの段階に入ったところで「ああ、やっぱりここだけ録り直したい」と思うことは(アーティストなら)あるだろう。多くの場合、その作業はなかなかの手間を要することになる。大島氏によれば
『DiGiGridを導入していたから、制作の後半で「歌詞の変更」というアーティスト本人のリクエストにも難なく対応できた』とのこと。
次回は本企画の最終回。実際に本作に参加したギタリストを会場にお招きし、本作でギターレコーディングをどのように行ったのか、何が今までと違っていたかについてご紹介する。
人気記事

ヘッドフォンでのミキシング。あらゆる再生機で良い結果を得るために
ヘッドフォンは比較的手頃な価格でコンパクトに持ち運べるため、プロダクションやレコーディング、ミックスのモニタリングシステムとしてとても便利です。しかし、本格的なミックスやプロダクションでの判断を伴うと

コンプレッサーの種類ってたくさんあるけど、どれを使ったらいいの?
今回の記事では、コンプレッサーの種類と、それぞれのコンプレッサーをどのような場面で使用するのかを学んで行きます。VCA、FET、Optical、Variable-Mu、デジタルコンプレッサープラグインなど、様々な種類のコンプ

音痩せしたボーカルの修正方法
素晴らしいボーカルサウンドを得るためには、質の高いレコーディングを行うことが大切ですが、ミックス時に弱々しいボーカルが送られてくることも少なくありません。ここでは、この問題を解決するための4つの簡単な

Waves V16 登場!全プラグインをさらに進化させる最新アップデート
30年以上もの間、WAVESはプラグイン・エフェクトの世界的ディベロッパーとして、音楽制作の現場を支えてきました。この度、WAVESはV16へのメジャーアップデートをリリースいたします。

マスタリングEQのタメになるTips10選
WAVESウェブサイトに投稿されていた記事の中から、マスタリングのコツを取り扱ったものを日本語化しました。先日の「マスタリングにおけるリミッティング。6つのTips」と合わせて、魔法のようなマスタリングを実現す

ボーカルの「こもり」を解決する3つの方法
ボーカルミックスにおいて、課題になることが多い「こもり」。このボーカルの「こもり」は 250〜900Hzの間に余分なエネルギーや共振の発生によって引き起こされます。この周波数帯には、ボーカルの「芯」となる要素
人気製品

InTrigger Drum Replacer
InTrigger Drum Replacer は、Wavesが提供するインテリジェントなドラムリプレイスメント・プラグインです。単なるトリガー検出を超え、ゴーストノート・ダイナミクス・ブリードを高精度に解析し、プロフェッショナ

Clarity Vx
Clarity Vxは、ボーカルをバックグラウンドノイズから取り除き、あらゆるミックス、プロダクション、ポッドキャスト、ビデオ用にサウンドを整える最高品質かつ最速の方法です。Waves Neural Networks®が搭載されてい

Horizon
音楽の創造は1990年代にアナログからデジタルへ、ハードウェアからソフトウェアへ、2000年代にはコンピューターのパワーの上昇によりインザボックスでの制作、ミキシング、マスタリングは一般的なものになりました。

Platinum
モチベーションも高く制作を進め、ミックスも基本のプロセッシングからキャラクターを生かしバランスを取った作業ができた。数曲をトラックダウンして、作品として発表するところまでもう少しという段階。ここまでく

Gold
音楽制作やミックスをより輝かせるために必要なものとは何でしょう。Power PackやSilverがあれば、作業の基礎は十分にカバーできます。しかし、それぞれのトラックの個性を引き出し、より有機的にバランスよく文字通

Vocal Rider
ボーカルトラックのレベルをリアルタイムに調整する「手コンプ」を自動で行うプラグイン Vocal Riderは、ボーカル・レベル・オートメーションに革命を起こします。用途も、使い方も、他のWavesプラグイン同様、非常

Mercury
音楽、映像、ライブ、放送、配信、設備、インスタレーション、アーカイブ。かつては分野や過程ごとに専業だったサウンドに関わる多くの作業は、近年ますます複雑にクロスオーバーするようになっています。音楽制作だ

Waves Tune Real-Time
エモーションを損なわない自然で正確なピッチ補正を、リアルタイム、超低レイテンシーで実現する、ボーカリストのためのドリームツール パフォーマンスに自信と集中を持って取り組むために、ライブ、スタジオを問わ