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L316を使ったキックを太くするテクニック - Waves Genius

L316を使ったキックを太くするテクニック - Waves Genius

2023.11.27

一時期プラグインリミッターと言えばWavesのLシリーズという時代があり、ある種の濫用によって物議をかもしたこともありましたね。

それもいまや昔。マスタリングリミッターと呼ばれるものは、古今東西いくらでも選択肢があり好みのものを選ぶ時代になりました。ユーザーとしては嬉しい悲鳴をあげられる状況かと思います。 今回は紹介するのはWavesのフラッグシップのリミッターであり、歴史も長いL316です。マスター用らしくたっぷりとプラグインレイテンシーを取ってあり処理リソースを贅沢につかっていると思われます。私はこのL316をあえて、「サチュレーター」「トーンシェイパー」として使っています。

リミッターの基本に立ち返ると、レシオ無限のコンプレッサーということになります。当然のことながら入力音が大きく、リリースタイムが短かったりすると歪みますね。そのリダクションによる歪みを積極的に音作りに応用しようというわけです。

L316はアタックとリリースは細かく数値でコントロールはできません。しかし「Release Character」というパラメーターがあり、ここで歪み方を選ぶようにしてコントロールすることができます。その選択肢は22種類もあります。

まずはスレッショルドをガッツリ下げて、Release Characterのボタンをクリックしてよさそうな特性を選びましょう。クロスオーバーフィルターの傾きをSeparationで選ぶことで音のシャープさも変わってきます。

ダイナミクスをおもいっきり圧縮するので当然周波数のバランスは崩れます。それを各バンドのPriorityとGainで調整することができます。GainはEQのように使い、Priorityはアタックの歪み方の調整に使えます。

ただこの使い方はソースを選びます。私はキックを図太くしつつエアー感やアタック感の強調に使うことが多いです。ぜひ試してみて下さい。


プロフィール

nakashimayasuhiro

ナカシマヤスヒロ

ゲーム音楽や現代音楽に影響を受け、10代からコンピューターを使った作曲を始める。

大阪芸術大学映像学科在学中に映画・映像作品のための作曲法を独学。ドイツの映像制作会社との仕事をきっかけに、国内外問わず様々なCM映像やTVドラマの音楽制作の依頼を受けるように。

日本人離れした音作りの感性と、欧米人から「オリエンタル」と評される個性が共存した独特の作風に定評がある。

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