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自宅でのボーカル録音 #3: 録音のクオリティをあげるアクセサリー

自宅でのボーカル録音 #3: 録音のクオリティをあげるアクセサリー

前回までの記事を読んでいただいた方の中には、マイクを選んで、オーディオインターフェイスも手に入れて。他にどんなものが必要なのか?自分の部屋でこのまま録音して大丈夫なのか?と、不安に思うこともあるでしょう。
今回はマイクの性能を引き出す、さまざまなアクセサリーをご紹介。これらを知ってさらにボーカル録音のクオリティがあげていきましょう!

2021.10.21

自宅でのボーカル録音 シリーズ

#1:マイクの選び方とテクニック
#2:プリアンプとオーディオインターフェイス

ポップフィルターで破裂音を防ぐ

マイクの近くで歌うと、破裂音("b"、"p "など)による空気がマイクに負荷をかけてしまいます。その結果、不快で強い低周波の破裂音(ポップノイズ)が発生してしまいます。

そんな問題を解決するアクセサリーがポップフィルターと呼ばれるものです。

ポップフィルターとして、ボーカリストとマイクの間に細かいメッシュ(金属またはプラスチック)を配置します。これが破裂音を拡散させるのです。エンジニアの中には、ポップフィルターがボーカルの音色を損なうと感じる人もいますが、ポップ音はそれ以上にボーカルの音色を損なう場合があります。「ポップフィルターは必要ないよ」という方は、マイクからかなり離れた場所で歌っているか、歌うときに声の向きに気をつけているかのどちらかでしょう。

ポップフィルターには、安価なものから高価なものまで様々です。ほとんどのポップフィルターは、20ドルから100ドルの間で販売されており、効果は価格に大まかに依存しています。Pauly Ton Superscreenポップフィルター(図1)のように、さらに高級なポップフィルターもあります。

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Pauly Ton Superscreenポップフィルターの金属メッシュは、マイクに到達する空気の吹き出しを最小限に抑えます。

もう一つの方法はポップフィルターほどの効果はありませんが、マイクの低周波ロールオフスイッチ(図2)を使うのも効果的です。(すべてのマイクにこの機能が内蔵されているわけではありません。)

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EQで破裂音を軽減

もう一つの方法は、ミックス時にEQを使用して破裂音をさらに軽減することです(本連載の第4回でイコライザーについて詳しく説明します)。破裂音は主に非常に低い周波数の音声のため、ローカット(ハイパス)フィルターで低周波数を低減し、目立たなくすることができます。図3は、波形のポップを分離した後、ハイパスフィルターで減衰させたものです。

上の波形はオリジナルのボーカルで、低減したいポップ音が強調されています。下の波形は、フィルタリング後のポップ音を示しています。

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そして図4のRenaissance EQの設定で、図3のポップ音を減らしてみましょう。

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左側の画像はRenaissance EQをバイパスしたもので、ポップから大量の低音が出ていることに注意してください(白で囲ってあります)。右の画像は、ハイパス・フィルターを使用してポップを減衰させたものです。

オーディオの例では、低音を大幅に減衰させても、ボーカルの音色にはほとんど影響がないことがわかります。



このボーカルは、"past "という単語の最初に厄介な破裂音を含んでいます。

Renaissance EQを図4の設定で使用したところ、ポップ音が消えました。

しかし、ポップノイズは発生源で最小限に抑えるのがベストです。そのためには、ポップフィルターが有効です。また、低音を強調する近接効果を避けるために、マイクから十分な距離を取るという優れたマイクテクニックも有効です。しかし、どんなに気をつけて録音しても、ミックス時にはポップノイズのレベルを下げる必要があるかもしれません。



マイクスタンドの必要性

マイクを持ち上げると、手で擦れる音等のハンドリングノイズが発生するため、マイクスタンドを使用するとよいでしょう。マイクスタンドは、20ドルから数百ドルまで様々な価格帯で販売されていますが、しっかりとした作りのものを、少しお金をかけてでも購入する価値があります。廉価なマイクスタンドに重いマイクを載せると不安定になりますし、スタンドが倒れて大切なマイクが床に落ちてしまっては困ります。コンデンサーマイクやリボンマイクは、ダイナミックマイクに比べて重量があるため、より頑丈なスタンドが必要です。

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このマイクスタンドは、上部にブームが付いているので、様々な楽器のマイキングの際に、マイクの位置を調整しやすくなっています。(写真提供: Jean-Joseph Napoléon on Unsplash)

ショックマウント

マイクスタンドは床に設置されているため、足を動かしたり、ドラムのペダルを踏んだり、外で道路工事が行われていたり.... と床からの振動がスタンドを伝わってマイクに行き、低周波の音が発生します。ショックマウントは、マイクをマイクスタンドから分離します。ショックマウントには、特定のマイクに対応するものと、汎用性のあるものがあります(図6)。マイクのローカットスイッチを使えば、このような低域のアーチファクトを抑えることができる場合もありますが、ショックマウントでマイクを可能な限り分離した方が良いでしょう。

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左のショックマウントは、Neat Microphones社のWorker Beeに付属しており、これをマウントに挿入して使用します。
右のショックマウントは、マイクメーカーのBlue社製で、数種類のマイクに対応しています。


マイクの保管方法

良いマイクは大きな投資であるため、大切にすべきです。埃や落下を嫌うので、使用しないときは保管しておくことがよいでしょう。マイクをセットしたまま、好きな場所に置いてしまって片付けたくない場合は、多孔質のビニール袋を逆さにしてマイクにかぶせ、ホコリが入らないようにします。ほとんどのマイクには、保管や持ち運びのためのポーチやカバー、ケースなどが付属しています(図7)。

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左側のポーチには、オーディオテクニカのUSBマイク「AT2020USB」が入っています。右側の箱は、スタジオでオーディオテクニカのコンデンサーマイク「AT3035」を保護するためのものです。

部屋の響き

「部屋がボーカルに影響を与える」ということはどのような原理なのでしょうか? その正体は、天井や壁の硬い表面で反射しマイクに戻ってくる音のことなのです。 しかし、すべての反射音が悪いというわけではありません。確かに、ボーカリストの中には、音響的にドライなボーカルブースで歌い、ミキシング時に残響を加えることを好む人もいますが、反射音はボーカルにリアルな空間の感覚を与えることができます。

たとえば、ボーカルがオーバーヘッドのブームマイクに向かって歌っていたために、変わったボーカルサウンドになったという有名な話があります。レコーディングにルールはないということを思い知らされます。

音響処理はシリーズ化できるほど複雑なテーマですが、幸いなことに、インターネット上には役立つ情報がたくさんあります。簡単に説明すると、音響処理は主に2つの要素で構成されています。音を吸収する方法(反射を減らす)と、音を拡散する方法(反射を散らして焦点を減らす)です。大きなウォークインクローゼットを持つホームスタジオのボーカリストは、服や毛布などの詰め物をできるだけ多くして音を消しています。しかし、結局のところ、しっかりとした構造のボーカルブースと同じレベルの処理をすることはできません。

部屋の音響処理ができない場合(例:住居を借りている場合)は、マイクシールド(図8:写真提供:Primacoustic)を使うことで、マイクに入ってくる反射音のレベルを下げることができます。

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Primacoustic Vox Guardは、部屋の音響が最適でない場合にボーカルの音を改善するための数多くのマイクシールドの1つです。ボーカリストがセッションの状況を確認できるように窓が設けられています

シールドの素材は音を完全には吸収できないため、多少の色づきが発生します。シールド自体で音が反射してしまうことがあります。また、マイクシールドは、背後の壁に跳ね返ってくる反射音には効果がありません。一般的には、シールドを使用する場合は、背後にも吸音材(厚手の毛布など)を用意するとよいでしょう。マイクシールドは、コストや使い勝手に違いがありますが、ホームスタジオでの録音では、ほとんどの場合、より良い結果が得られます。

マイクシールドの最も有用な用途の一つは、コンピュータのノイズがマイクに入らないように、コンピュータとの間に設置することです。さらに効果的なオプションは、ボーカルを別の部屋で録音し、iOSやAndroidデバイスを使って、リモートコントロールアプリからコンピュータをコントロールすることです(図9)。

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PreSonus社は、Studio One用のiPad/Androidリモコンを無料で提供しています。

もう1つのコンピューターのノイズを防ぐ方法は、ワイヤレスのキーボードを使い、ボーカルの録音に必要なキーボード・ショートカット(録音、停止など)を覚えることです。ワイヤレスキーボードの受信機との間に壁があっても、通常は少なくとも20フィート(多くの場合はそれ以上)離れることができます。このレシーバーは、コンピューター本体に内蔵されているか、通常はコンピューターのUSBポートに差し込むドングルのようなデバイスになります。

さて、セットアップが完了したところで、次回はEQやダイナミクス処理などの信号処理技術を使って、ボーカルの良さを引き出す方法をご紹介しましょう!

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