DiGiGridで制作の全てが変わった:OM Factoryセミナー(その5)
ここまで4回にわたってレポートしてきた、OMFactory大島氏によるDIGiGridセミナー。今回は最終回となる「その5」をお伝えする。
2020.01.01
今一度本セミナーについておさらいをすると、
- 2015年3月に弊社内特設スペースで実施されたセミナー
- 講師はDiGiGridを発売と共に入手した、OMFactoryの大島su-kei氏。
- 「DiGiGridは、自分が理想とする環境をすべて入手できる夢のような製品(大島氏)」
- 導入直後に手がけたのは、奥華子さんの最新曲。本セミナーでもそのトラックを使用
- このときの貴重なセミナーを、テーマごとにビデオを切り分け、ここまでご紹介
という流れだ。バックナンバーをまだご覧になっていない方は、ぜひ順番に見てほしい。スタジオ構築から機材の取り回し、制作からレコーディングの上で、アーティストとのやりとりなど、随所にチェックしたくなるポイントがある。
最終回となる今回は、実際にミュージシャンをお呼びしてレコーディングを敢行した。DiGiGrid環境を手にいれることで最もキモとなる、極めて低いレイテンシー環境。そして、複数のDAWを1つの環境にまとめ、OSやDAW間をシームレスにつなぐというポイントについて触れている。
今回の奥華子さんのレコーディングで、実際にギターを担当された森本隆寛さんの登場。通常のレコーディングとはまったく異なる手法で、Cubaseを操作する大島氏がレコーディングするのではなく、Pro Toolsを使っている森本氏のMacbook AirをDiGiGridネットワークに入れて録音を行う、というところから解説はスタートする。
このムービーはもしかすると、多くのクリエイター、ミュージシャンが経験している環境に近いかもしれない。しかし、DiGiGridを導入することによる決定的な違いが、
1:55近辺より語られる。これは他の環境には絶対になかったシーンであろう。
CubaseをOMFactrory製DAW専用PCで操る大島氏と、Pro ToolsをMacBook Airで操る森本氏。この両者が1つのI/Oを共有しているシーンは、ムービー上で「さらっと」触れられている以上に、実は衝撃的ではないだろうか。
大島氏「では、自分で録ってもらっていいですか?」
セミナーを現場で見ていた私たちにとっては、レコードとなるギターソロが目の前で演奏されたという嬉しさもあると同時に、今まで体験したことのないレコーディングのスタイルを拝見したという瞬間。
この衝撃をビデオとともに体感してほしい。
セミナーのビデオとしては次がラスト。多くの方が最も気になるであろうことについて、冒頭から大島氏が触れている。
コンピューターそのものに精通し、ビンテージからモダンなものまでのアウトボードを所有し、さらに数多くのプラグイン、アクセラレーションボードなどを併用している大島氏が
『新しい(概念の)製品を導入するということは、周辺機器を考えるとなかなか難しいことだと想います。普通なら色々と買い替えをしなくてはならなかったりするので、大変です。
でも今回僕は、DiGiGridを「追加」した「だけ」です』
私のように各種の機材に慣れたつもりになって頭を固くしていると、DiGiGridの導入が「システムをすべてDiGiGrid中心に考え直さなくては」と思いがちだが、大島さんはI/Oを変えただけ、くらいの気軽さでDiGiGridを導入していることがわかる。
今まで使っていたUADなどの外部DSPモジュールもそのまま。アウトボードやハードのアンプシミュレータもそのまま。もちろんOSやDAWもそのままなのに、複数のマシンが同時に接続できて、今後の拡張性も十分ある。
DiGiGridは現在、以下のラインナップを揃えている。
- Pro Tools HD/HDX環境向け(Digilink I/Oを使用する)DLS、DLI
- ネイティブDAW環境向けのI/O付きモデル、IOS、IOX、IOC(IOSはプラグインサーバーつき)
- ライブ向けソリューションであるMADIコンバータ、MGO、MGB
本セミナーではIOSとDLSを同時に使用して、大島さんのWinマシンと、ギタリスト森本さんのMacbook Airを同時に接続して実施された。「IOSの出音の良さも聞いていただきたかったので、IOSからスピーカーへと直接アウトプットしている」ということからも、第一線の環境で使うことに耐えうるサウンドだということも証明できたのではないかと思う。
新しい概念や、新しい接続方式。DiGiGridは「新しさ」を提供しつつも、従来の感覚のまま使えるソリューションではないかと思う。
プロモーション
人気記事
Mix with Waves 「Renaissance Maxxでスネアを処理してみよう」 編
ミックスをこれから始めよう、という方は、きっと様々なウェブサイトや友人からの情報を聞いて徐々に勉強をされていくことと思います。もちろん、ミックスに正解はないので自由にやることが1番ですが、EQやコンプな
My favorite Waves ─ kors k
世界的な音楽ゲームを牽引するクリエイターとして知られ、DJ/プロデューサーとしても国内外で幅広く活躍するkors k氏。EDMからハードコアまで多彩なジャンルを手がけるそのサウンドの裏側には、長年愛用してきたWav
はじめてのミックス:1分で解説:ボーカルをもっと前に出したい(DAWミックスを学ぶ)
ボーカルは楽曲の主役。また、抑揚の大きいパートなので、小さなところから大きなところまでをしっかりと処理しないといけません。
OBSでも使える「声に特化した」エフェクトプラグイン - Staff Blog
リズム隊のミックスTips! – Vol 1イントロダクション
MixがうまくなるTipsのMIオリジナル企画。当社ウェブサイトでもたくさんのレビューをしてくださっているオフィスオーガスタの佐藤洋介さんに学ぶ、リズム隊(ドラム・ベース・リズムギター)のミックスTipsムービー
リズム隊のミックスTips! – Vol 4 タム&トップマイク編
ここまでキック、スネア、ハイハットと来ました「リズム隊のミックスTips」。本日はタム編とトップマイク編。いずれもドラム音源にBFD3を使用していますが、他のドラム音源や実際のドラムレコーディングでも参考にな
人気製品
CLA MixHub
エンジニアのコンソール・ワークフローを完全再現する こんなプラグインは、かつてありませんでした。CLA MixHubは、スタジオの神話とも謳われた名エンジニア、クリス・ロード・アルジによる、濃密でなめらかなアナ
Clavinet
スティービー・ワンダーの「Higher Ground」や「Superstition」、ビリー・ブレストンの「Outta Space」など、ファンキーな音楽にクラビネットの音を取り込んだヒット曲は数多くあります。1970年代、ファンキーなディ
BB Tubes
さまざまなボーカルや楽器の音が、いまだかつて聴いたことのない「スピーカーから飛び出してくる存在感あふれるサウンド」に生まれ変わります。繊細な音から攻撃的なアナログの倍音まで、BB Tubes はあなたのミック
Brauer Motion
いくつものグラミー賞を重ねてきたミキシング・エンジニア、マイケル・ブラウアーほど、ミックスにエモーショナルな動きを加えることに長けた人物は多くありません。コールド・プレイ、ジョンメイヤー、ジェイムス・
EMI TG12345 Channel Strip
WavesとAbbey Road Studiosが、EMIが最初に製造したソリッド・ステート・コンソールである、歴史的な名機TG12345をプラグインとして復活させました。このデスクは、60年代後期から70年代のサウンドの革命期を象徴す
CLA Effects
Waves Artist Signature Seriesは、世界のトッププロデューサー、エンジニアとのコラボレーションにより生まれた目的別プロセッサーシリーズです。全てのSignatureシリーズプラグインは、アーティストの個性的なサウ
CLA Guitars
Waves Artist Signature Seriesは、世界のトッププロデューサー、エンジニアとのコラボレーションにより生まれた目的別プロセッサーシリーズです。全てのSignatureシリーズプラグインは、アーティストの個性的なサウ
Maserati B72
Tony Maserati、B72 Bass Phattenerを語る: 「B72には実際のところ、2つのはっきり異なる開始地点があります。私は関わったアーティスト達のためとてもバラエティ豊かな音楽に取り組んできました。そこでは1つのサ