ブルックリン『Elsewhere』Waves e-Motion LV1導入レポート
ニューヨーク州ブルックリンの人気のクラブ『Elsewhere』に、Waves e-Motion LV1が常設のライブ用ミキサーとして導入され、テクニカルディレクターのDavid Levin氏に、250名程度のキャパシティーのスペース『Zone One』のコンソールとして、Waves e-Motion LV1が選ばれた理由について訊くことができました。
2020.01.01
ブルックリンで流行をリードするブッシュウィック地区にあり、24,000平方フィートの倉庫を改装してオープンしたElsewhereは、ライブミュージック、ナイトクラブ、そしてアートスペースとして人気のスポットになっています。
Blood Orange, Nelly Furtado, Tove Lo, Sofi Tukker, Icona Popなど多くのアーティストのFOHエンジニアを務めていたDavid Levin氏は、 2017年後半のオープン以来、テクニカル・ディレクターを務めてきました。Elsewhereは”Zone”と呼ばれる5つの異なるスペースで構成されいて、Davidは、250人規模の会場”Zone One”のライブミキサーにWavesのeMotion LV1を選んだ理由をこう話しています。
「Zone One用のミキサーを選ぶとき、最も重視したことはまず音質、使いやすさ、そして、エンジニアが飽きることのない十分な柔軟性でした。LV1を初めて使用したとき、3分ほどでミキサーの基本的な機能を把握できて、機能を深く理解したと感じるまでに、30分もかかりませんでした。配置にはすぐに慣れるし、使いやすくとても直感的に操作できます。」
「250人規模の会場Zone Oneでは、価格面においてもeMotion LV1は最適な選択でした。同クラスの他のミキサーと比べて、このミキサーは我々エンジニアのスキルを磨く手助けをはるかに高いクオリティーで実現しています。ここには、若いエンジニアが、ただ操作するだけでなく共に成長して学ぶことができるコンソールが必要でした。」
「Wavesの強力なプラグイン、F6 Floating-Band Dynamic EQ、C6 Multiband Compressor、Scheps Parallel Particles、またヴィンテージ感のあるAbbey Road Reverb Plates、Scheps 73、そしてCLA Classic Compressorsバンドルなどを搭載することで、ここのエンジニアは他のどの小型のコンソールも提供することができない、膨大な種類のサウンドパレットから選ぶことができます。」
「Zone Oneでは、週に9回のショーと27人以上のアーティストが出演します。多くのエンジニアが彼らのバンドと共に訪れますが、だからこそ、ミキサーはエンジニアが素早く使えるものであることが必要です。LV1はそれらの問題をクリアしていて、GUIは十分になじみがある設計なので、システムの最初のサウンドチェックが終了するまでには、乗り込みのツアー・エンジニアでも基本的なワークフローを理解することができます。」
Wavesのプラグインに関して、Levin氏は言います。「日々の多種多様な演目は、Elsewhereを特別なものにしてくれます。そのジャンルは、インディーロックからテクノ、そしてアンダーグラウンド・テクノまでに及びます。WavesのeMotion LV1には、一貫して優れたサウンドを実現するために必要な、すべてのツールが備わっています。レトロなバンドには、ヴィンテージ・エミュレーション・プラグインであるAbbey Road Reverb Plates、ドラムなどにはAPI 2500、ボーカルにはCLA-76 Compressorを良く使います。そして処理が必要な周波数を修正するのに優れているのがF6 dynamic EQです。ライブ・エレクトロニック・バンド系には、ライブの生ドラムを電子ドラムのループや再生音源に合わせるために、Waves L3-LL MultimaximizerとSmack Attackプラグインを私たちは活用していますが、私が経験した他のどのミキサーを使用するよりも、優れた音を表現できます。」
「”Zone One”は、多くのアンダーグラウンド・テクノDJによるショーも主催していて、WavesのSmack Attack、 Scheps Parallel Particles、F6などのプラグインを使用することで、パフォーマーのリアルタイム・マスタリングが可能になり、さまざまな品質レベルのDJトラックも一貫して磨き上げることができます。LV1を使うことで、DJのための音響は、もはやマスターメーターを眺めるものでは無くなりました。なぜならLV1はたくさんの武器を搭載しているからです。」
Levin氏は、eMotion LV1のワークフローについて次のようにコメントしています。 「LV1を使用する体験は、とても素晴らしいものです。小規模の会場にある多くのミキサーには、限られた機能しかなく、実験的で刺激的なことはできませんでした。このコンソールは、私たちのエンジニアスタッフのミキシングをよりクリエイティブなものにするため、多くの手段を備えています。また、今まで小型のコンソールでは決して実現できなかった方法で、ライブミックスを非常に奥深いものにできる天才的なエンジニアを雇うことも可能になりました。パラレル・バスなど、LV1でよりディープな機能を使うのも簡単です。
また、Elsewhereの”Zone One”は卓返し(FOH卓兼モニター卓)で運用しており、LV1で十分なチャンネルのプロセッシング能力があるため、一部のチャネルをモニタ専用として運用することも可能です。これはボーカルでは特に便利です。モニターは最小限の遅延(レーテンシー)でかつシンプルなEQを必要としますが、メインPA用のボーカルチャンネルは4つ以上のインサートを持つことができます。この場合のルーティングも、選択したチャンネルの一番上から選ぶか、またはパッチ画面のどちらからでもルーティングできるのは本当に素晴らしいです。」
「手軽にマルチトラック・レコーディングができる機能は我々も非常に重宝しています。エンジニアはバーチャル・サウンドチェックによってスキルを磨き、さらにLV1に搭載される全ての機能の理解を深めることができます。」
最後にDavidはこう話しています。「e-Motion LV1のサウンドはとても素晴らしいです。プリアンプはとてもクリーンで、サミングも、あらゆるコンソールの中でトップの音質だと思います。エンジニアは、本人が表現したいと望む空気感を選ぶことが可能です。その日によって、様々なプラグインを試していくことで、多種多様な味わいを探求することも出来ます。」
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