
貧弱なエレキギターの補正法
エレキギターの存在感が薄い場合、ロックのミックスは台無しです。なぜなら、エレキギターこそが「ロック」というジャンルの原動力だからです。アンプ・シミュレーション、レイヤー・ギター、イコライザー、スラップバック・ディレイを駆使し、重量感のあるギター・アレンジを実現しましょう!
2021.04.27
1. 高品位なアンプを使用しましょう。
安価なハードウェア・アンプを使ってレコーディングすると、ギター・レコーディングのサウンドが枯れてしまったり、くすんでしまったりすることがあります。PRS SuperModelsやGTR3に搭載されているようなプラグインのアンプ・エミュレーションを使えば、ハードウェアに比べてわずかなコストで高品質なアンプを利用することができます。ギターをDIボックスで録音して、高品質なアンプで鳴らすと、よりパワフルなギター・トーンが得られるでしょう。


2. ギターを重ねる。
お気に入りのレコードに収録されているようなビッグなギターサウンドが得られないという方は、ギターサウンドのバリエーションが少ないことが原因かもしれません。重厚なギター・サウンドを得るためには、異なるギター・トーンを重ねるのが一番簡単です。たとえギターが1本しかなくても、録音したギターをさまざまなアンプ・エミュレーションに通して重ねれ重厚なギター・サウンドの完成です。
また、InPhaseなどのプラグインを使えば、重ねて録音したギターの音がフェイズキャンセルされてしまうこともありません。

3. EQで音色を作る
H-EQ Hybrid EqualizerのようなEQを使えば、ギター・レコーディングに隠れている特性を強調することができます。例えば、ハイパス・フィルターで40〜80Hzの周波数を下げれば「濁り」が減り、ベル・フィルターで80〜200Hzの周波数を上げれば「ボディ感」が増します。温かみのある音色を求めるなら、幅広のベル・フィルターで200〜400Hzの帯域をブーストしてみましょう。積み上げたギターのEQをそれぞれ違ったものにするのは自由です。
あるギターのトップエンドは「きらびやか」に、さらに別のギターではくっきりとした「ボディ感」を出したいということも可能なのです。

4. スラップバックディレイを使う
スラップバックディレイは、ギターをミックスの中で前方に押し出し、緩やかな空間を演出します。スラップバックディレイを適用したギターは、ドライで生気のないサウンドから、リッチでオーガニックなサウンドになります。
スラップバック・ディレイを設定するには、H-Delayのようなディレイを使います。ディレイタイプをmsに設定し、フィードバックレベルをゼロにして、ディレイ信号が入力信号からわずかに分離するまで、ディレイタイム量を増やします。Dry/Wetノブを調整して、聞こえてくるエフェクトの量をコントロールします。

いかがだったでしょうか。
今回のトピックでは、ギターサウンドが思うように録れなかった場合にも使えそうですね。
学んだことを応用し、色々なシチュエーションで使ってみて下さい。
さあ、デスクに向かって制作を始めましょう。
人気記事

WavesLive2025年出展予定展示会
Waves Liveの製品は、スタジオ品質のWavesプラグインをライブサウンドや放送の現場で使用可能にする革新的なソリューションです。0.8msという超低レイテンシーで、数百のプラグインをリアルタイムに処理可能なSoundG

コンプレッサーの種類ってたくさんあるけど、どれを使ったらいいの?
今回の記事では、コンプレッサーの種類と、それぞれのコンプレッサーをどのような場面で使用するのかを学んで行きます。VCA、FET、Optical、Variable-Mu、デジタルコンプレッサープラグインなど、様々な種類のコンプ

ミックスで「コンプのかけ過ぎ」を避ける7つのコツ
ミックスする時に、コンプレッションをかけすぎたり不足したりはしていないでしょうか?全てのコンプレッションに目的を持っていますか?かけすぎで躍動感が失われたり、逆にルーズすぎてかかりが弱かったりというこ

ボーカルの「こもり」を解決する3つの方法
ボーカルミックスにおいて、課題になることが多い「こもり」。このボーカルの「こもり」は 250〜900Hzの間に余分なエネルギーや共振の発生によって引き起こされます。この周波数帯には、ボーカルの「芯」となる要素

初心者にもプロにも嬉しい、簡単最適なコンプ設定 ― Waves Renaissance Axx
ミックスを始めたばかりの頃、多くの人が最初にぶつかる壁、それがコンプレッサー。スレッショルド? レシオ? アタック? リリース?意味がわからず、パラメーターの前で立ち止まった経験、ありませんか?そんなミ

アンプシミュレータでよりリアルな音を作るテクニック
ギターのレコーディングでは、実際のアンプを使った録音と、アンプシミュレータを使ったプラグインでの方法があります。ここでは、アンプシミュレータで完璧なサウンドのギターパートをレコーディングするための重要
人気製品

Platinum
モチベーションも高く制作を進め、ミックスも基本のプロセッシングからキャラクターを生かしバランスを取った作業ができた。数曲をトラックダウンして、作品として発表するところまでもう少しという段階。ここまでく

Curves Equator
Wavesは30年間にわたりEQを設計してきました。しかし、もっと正確で、もっとパワフルで、もっと効率的で、さらに楽しいEQがあったらどうでしょう?近年、スタジオのテクノロジーとワークフローのほとんどすべての面

Gold
音楽制作やミックスをより輝かせるために必要なものとは何でしょう。Power PackやSilverがあれば、作業の基礎は十分にカバーできます。しかし、それぞれのトラックの個性を引き出し、より有機的にバランスよく文字通

Curves AQ
Wavesは常に革新を追求しています。Clarity Vx、DeReverb、Silk Vocal、IDX、Curves Equator、Sync Vxなどの開発を通じて、新たなサウンド技術の限界を押し広げてきました。そして、ついにEQにも革命が起こります。

Horizon
音楽の創造は1990年代にアナログからデジタルへ、ハードウェアからソフトウェアへ、2000年代にはコンピューターのパワーの上昇によりインザボックスでの制作、ミキシング、マスタリングは一般的なものになりました。

Clarity Vx
Clarity Vxは、ボーカルをバックグラウンドノイズから取り除き、あらゆるミックス、プロダクション、ポッドキャスト、ビデオ用にサウンドを整える最高品質かつ最速の方法です。Waves Neural Networks®が搭載されてい

Signature Series Vocals
クリス・ロード=アルジ、エディ・クレイマー、ジャック・ジョセフ・プイグ、トニー・マセラッティ。いずれも類い稀なテクニックと感性で多くのアーティストの傑作を生み出し、グラミー賞を数度にわたり獲得するなど

MV2
MaxxVolumeのエンジンをベースに、二つのパラメーターでハイ/ロー・レベル・コンプレッションをコントロールする、よりシンプルなプラグインです。