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My favorite waves 〜Maozon〜

My favorite waves 〜Maozon〜

自分にとって初めてのWaves製品はHorizonです。中学生の時に作曲をはじめてもうかれこれ17年ほどになるのですが、当時はMercuryが100万円する時代で “Waves = 初心者には手が出せないプロが使うプラグイン・ブランド” という印象だったので、憧れのWavesを購入できた時はそれはもう...とても嬉しかったですよ。(笑)

普段はクラブサウンドを手がけることが多く、ダブステップやトランスも作っていましたが、最近はドラムンベースを多く制作しているので、そのようなジャンルを制作する上でどのようなWavesプラグインを多用しているのか、僕の使い方も含めてご紹介します。

2025.10.09

Maozon

音楽プロデューサー / トラックメイカー / DJ

2013年、DJ AKi、STY、YUUKi MCによるプロジェクト、ASYの「SEE THE LIGHTS」リミックスコンテストに応募し、グランプリを受賞。その後、三代目 J Soul Brothersへ提供した「R.Y.U.S.E.I.」は作編曲家として第56回日本レコード大賞をはじめ、数々の賞を受賞。

ドラムンベースを軸に活動するトラックメイカー / DJとして、東京を拠点に日本のシーンを牽引する一方、アメリカ、カナダ、中国など世界各国のイベントにも出演。クラブシーンとサブカルチャーの両方を渡り歩き、ジャンルを超えた自由な表現を追求し続ける。その独自のスタイルは、クラブミュージックファンのみならず、アニメやゲームなど異なる領域にも影響を与え、幅広い層から支持を集めている。

My favorite plugins

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[Doubler]
おそらくボーカル用途で使用するように作られたであろうプラグインではありますが、僕はベースやウワモノに使うことにハマっています。 これってステレオ・エンハンサーやエキスパンダーだと思っていて、実際にやってることは単純ではあるのですが、パラメータのいじりやすさがすごく気に入っているんですよね。原音を複製してピッチやパンをずらして広がりを出したものを、これ1つでローを削ったりハイを削ったりできるのもいいですね。

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[Butch Vig Vocals]
バンドGarbageのドラマーでもあり、The Smashing Pumpkinsの”Gish”やNirvanaの”Never Mind”のプロデュースで知られるButch Vigが監修したボーカル向けチャンネルストリップではあるのですが、自分はこれをドラムバスに使用します。ドラムバスにこのコンプレッサーをかけると、音が太くなるというか存在感がでるというか、とにかくドラムの質感が大きく変わるのでドラム全体の存在感を出す飛び道具です。特に自分のような楽曲ジャンルを作っている人にはおすすめですね。

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[CLA−2A]
LA-2Aをモデルにしたプラグインが世の中に無数に存在しているなかで、CLA-2Aはよりアタック感が出て自分好みなんです。正直、実機に触れたことがないので本物らしさという比較はできませんが、とにかくトランジェントが強く出るので、マキシマイザーをかけても物足りない時、前に出したい音にはとにかく何でも使用する感じです。ポップスなどのエンジニアさんからは怒られそうですが、自分は”クリップさせてなんぼ”というスタイルなので、マキシマイザー後のCLA-2Aはオススメです。 ギターにもあえて歪み系エフェクター使うじゃないですか、あのイメージです。 余談ですが自分のミキサーウィンドウは全トラック真っ赤です。(笑)

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[GEQ Graphic Equalizer]
最近グラフィック・イコライザーのこの製品をよく使っています。これまでグライコはPAさんが使うものという先入観があり、断然パラメトリック至上主義だったのですが、GEQ Graphic Equalizerは自分がよくイコライジングする500Hzと5KHzというパラメータが存在するので多用しています。何も考えずに任意の帯域を調整できる点がいいですね。頭の中に何キロを下げたいという地図が描けている人には、むしろ分かりやすいかもと思います。

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[Renaissance Bass]
定番のR Bassです。気に入っている点は変な持ち上がり方をしない点。フリケンシーの幅が広いのもいいですね。”この音使いたいけどローが足りない”という音ってたくさんあると思うんですけど、そんな時にR Bassを使うと無理なくローを上げてくれるんですよね。EQで同じことをやろうとするとすごく大変ですし、他社でも同じようなプラグインはたくさんあるけれど、R Bassはかかり具合がすごく自然だし埋もれることもないんです。例えば同じキーで鳴らしても、音色によってロー感って様々じゃないですか?自分でもどの帯域を上げていいか迷ってしまう時に、R Bassで持ち上げるとそれだけで解決することも多々ありますね。

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[Vocal Rider]
まさに時短ツールですね。指定した音量感でボーカルの音量を一定に保ってくれる便利なツールです。もちろんこれを使用したあとでも突きたい箇所があればオートメーションを書きますが、曲全体でオートメーションを書く必要がないので非常に助かっています。

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[H-Delay Hybrid Delay]
主にピンポンの質感が好きで使っています。個人的にはこれに勝るディレイは存在しないと思ってるほどです(笑)。テクスチャーとして楽曲にノイズ感を足したい際に、右下のAnalogというパラメータもいい仕事をしてくれます。サチュレーターを挿す前にこれを使うことで、より自分好みの質感にできるんです。

〜番外編〜

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[H-Reverb Hybrid Reverb] ゲート・リバーブ専用機として使っています。

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[SSL G-Master Buss Compressor] その名の通りバスコンプとして使っています。

今回は使用頻度の高いWavesプラグインをご紹介しましたが、バージョンアップごとに往年のタイトルのUIが刷新されていたり、L4などの新製品も続々リリースされたりとワクワクさせてくれる大好きなメーカーですので、これを機に再度プラグインを掘ってみようと思いました。みなさんの参考になれば幸いです。

[告知]
UKのレーベル “Viper Recordings” から9月5日にリリースされたEPに参加させていただいているのですが、Beatportのドラムベースチャートで1位、オールジャンルチャートで8位になったので、ぜひチェックしていただけたら嬉しいです。


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Maozon氏の楽曲はこちらから試聴可能

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