
My favorite waves 〜Maozon〜
自分にとって初めてのWaves製品はHorizonです。中学生の時に作曲をはじめてもうかれこれ17年ほどになるのですが、当時はMercuryが100万円する時代で “Waves = 初心者には手が出せないプロが使うプラグイン・ブランド” という印象だったので、憧れのWavesを購入できた時はそれはもう...とても嬉しかったですよ。(笑)
普段はクラブサウンドを手がけることが多く、ダブステップやトランスも作っていましたが、最近はドラムンベースを多く制作しているので、そのようなジャンルを制作する上でどのようなWavesプラグインを多用しているのか、僕の使い方も含めてご紹介します。
2025.10.09
My favorite plugins
[Doubler]
おそらくボーカル用途で使用するように作られたであろうプラグインではありますが、僕はベースやウワモノに使うことにハマっています。
これってステレオ・エンハンサーやエキスパンダーだと思っていて、実際にやってることは単純ではあるのですが、パラメータのいじりやすさがすごく気に入っているんですよね。原音を複製してピッチやパンをずらして広がりを出したものを、これ1つでローを削ったりハイを削ったりできるのもいいですね。
[Butch Vig Vocals]
バンドGarbageのドラマーでもあり、The Smashing Pumpkinsの”Gish”やNirvanaの”Never Mind”のプロデュースで知られるButch Vigが監修したボーカル向けチャンネルストリップではあるのですが、自分はこれをドラムバスに使用します。ドラムバスにこのコンプレッサーをかけると、音が太くなるというか存在感がでるというか、とにかくドラムの質感が大きく変わるのでドラム全体の存在感を出す飛び道具です。特に自分のような楽曲ジャンルを作っている人にはおすすめですね。
[CLA−2A]
LA-2Aをモデルにしたプラグインが世の中に無数に存在しているなかで、CLA-2Aはよりアタック感が出て自分好みなんです。正直、実機に触れたことがないので本物らしさという比較はできませんが、とにかくトランジェントが強く出るので、マキシマイザーをかけても物足りない時、前に出したい音にはとにかく何でも使用する感じです。ポップスなどのエンジニアさんからは怒られそうですが、自分は”クリップさせてなんぼ”というスタイルなので、マキシマイザー後のCLA-2Aはオススメです。
ギターにもあえて歪み系エフェクター使うじゃないですか、あのイメージです。
余談ですが自分のミキサーウィンドウは全トラック真っ赤です。(笑)
[GEQ Graphic Equalizer]
最近グラフィック・イコライザーのこの製品をよく使っています。これまでグライコはPAさんが使うものという先入観があり、断然パラメトリック至上主義だったのですが、GEQ Graphic Equalizerは自分がよくイコライジングする500Hzと5KHzというパラメータが存在するので多用しています。何も考えずに任意の帯域を調整できる点がいいですね。頭の中に何キロを下げたいという地図が描けている人には、むしろ分かりやすいかもと思います。
[Renaissance Bass]
定番のR Bassです。気に入っている点は変な持ち上がり方をしない点。フリケンシーの幅が広いのもいいですね。”この音使いたいけどローが足りない”という音ってたくさんあると思うんですけど、そんな時にR Bassを使うと無理なくローを上げてくれるんですよね。EQで同じことをやろうとするとすごく大変ですし、他社でも同じようなプラグインはたくさんあるけれど、R Bassはかかり具合がすごく自然だし埋もれることもないんです。例えば同じキーで鳴らしても、音色によってロー感って様々じゃないですか?自分でもどの帯域を上げていいか迷ってしまう時に、R Bassで持ち上げるとそれだけで解決することも多々ありますね。
[Vocal Rider]
まさに時短ツールですね。指定した音量感でボーカルの音量を一定に保ってくれる便利なツールです。もちろんこれを使用したあとでも突きたい箇所があればオートメーションを書きますが、曲全体でオートメーションを書く必要がないので非常に助かっています。
[H-Delay Hybrid Delay]
主にピンポンの質感が好きで使っています。個人的にはこれに勝るディレイは存在しないと思ってるほどです(笑)。テクスチャーとして楽曲にノイズ感を足したい際に、右下のAnalogというパラメータもいい仕事をしてくれます。サチュレーターを挿す前にこれを使うことで、より自分好みの質感にできるんです。
〜番外編〜
[H-Reverb Hybrid Reverb] ゲート・リバーブ専用機として使っています。
[SSL G-Master Buss Compressor] その名の通りバスコンプとして使っています。
今回は使用頻度の高いWavesプラグインをご紹介しましたが、バージョンアップごとに往年のタイトルのUIが刷新されていたり、L4などの新製品も続々リリースされたりとワクワクさせてくれる大好きなメーカーですので、これを機に再度プラグインを掘ってみようと思いました。みなさんの参考になれば幸いです。
My favorite plugins
プロモーション
人気記事

My favorite waves 〜Maozon〜
自分にとって初めてのWaves製品はHorizonです。中学生の時に作曲をはじめてもうかれこれ17年ほどになるのですが、当時はMercuryが100万円する時代で “Waves = 初心者には手が出せないプロが使うプラグイン・ブラン

L4 Ultramaximizer 試聴レビュー 〜音量を稼ぎながら、音楽的に仕上げる時代へ〜
昨今の音楽制作では過度なマルチバンド処理よりも、音像の自然さを損なわない透明感のあるシングルバンド・リミッターが重視される傾向があります。Waves「Lシリーズ」待望の最新作、L4 Ultramaximizer はその流れを

コンプレッサーの種類ってたくさんあるけど、どれを使ったらいいの?
今回の記事では、コンプレッサーの種類と、それぞれのコンプレッサーをどのような場面で使用するのかを学んで行きます。VCA、FET、Optical、Variable-Mu、デジタルコンプレッサープラグインなど、様々な種類のコンプ

ミックスで「コンプのかけ過ぎ」を避ける7つのコツ
ミックスする時に、コンプレッションをかけすぎたり不足したりはしていないでしょうか?全てのコンプレッションに目的を持っていますか?かけすぎで躍動感が失われたり、逆にルーズすぎてかかりが弱かったりというこ

11のステップでプロのサウンドへ。ドラムのミキシング
コンプレッションやEQの設定、位相トラブルの修正方、さらにトランジェントのコントロールまで、ドラムミックスの"いろは"を学んでいきましょう。 さらに、パラレルコンプレッションやリバーブを使い、深みと奥行

マスタリングEQのタメになるTips10選
WAVESウェブサイトに投稿されていた記事の中から、マスタリングのコツを取り扱ったものを日本語化しました。先日の「マスタリングにおけるリミッティング。6つのTips」と合わせて、魔法のようなマスタリングを実現す
人気製品

L4 Ultramaximizer
1990〜2000年代、L1やL2は音圧を稼ぐプラグインの代名詞でした。Red Hot Chili Peppers、Metallica、Timbalandなど、数え切れない名盤に使われ、そのサウンドは世界を席巻しました。しかし今、音楽は単なる音圧では

Platinum
モチベーションも高く制作を進め、ミックスも基本のプロセッシングからキャラクターを生かしバランスを取った作業ができた。数曲をトラックダウンして、作品として発表するところまでもう少しという段階。ここまでく

Horizon
音楽の創造は1990年代にアナログからデジタルへ、ハードウェアからソフトウェアへ、2000年代にはコンピューターのパワーの上昇によりインザボックスでの制作、ミキシング、マスタリングは一般的なものになりました。

Clarity Vx
Clarity Vxは、ボーカルをバックグラウンドノイズから取り除き、あらゆるミックス、プロダクション、ポッドキャスト、ビデオ用にサウンドを整える最高品質かつ最速の方法です。Waves Neural Networks®が搭載されてい

Diamond
インスピレーション、閃いたアイデアをトラックへと作り上げ、数々のツールを使ってミックスし、磨き上げ、最高の状態でトラックダウンする。Diamondは、Platinumバンドルのプラグインをすべて収録し、さらに原石と

Vocal Rider
ボーカルトラックのレベルをリアルタイムに調整する「手コンプ」を自動で行うプラグイン Vocal Riderは、ボーカル・レベル・オートメーションに革命を起こします。用途も、使い方も、他のWavesプラグイン同様、非常

Waves Tune Real-Time
エモーションを損なわない自然で正確なピッチ補正を、リアルタイム、超低レイテンシーで実現する、ボーカリストのためのドリームツール パフォーマンスに自信と集中を持って取り組むために、ライブ、スタジオを問わ

Curves Equator
Wavesは30年間にわたりEQを設計してきました。しかし、もっと正確で、もっとパワフルで、もっと効率的で、さらに楽しいEQがあったらどうでしょう?近年、スタジオのテクノロジーとワークフローのほとんどすべての面