音作りのポイントはスピーカーキャビネット?あらゆるジャンルがカバーできる最強アンプシミュレーター Waves PRS SuperModels
誰でも簡単に音作りできる親切設計 - PRS SuperModelsはギターの音作りで重要なポイントが簡略化されているため、初心者の方でも安心して音作りできるのが特徴です。
2022.07.26
アンプシミュレーターの音作りで最も重要なのはキャビネット
PRS SuperModelsの音作りにおける特徴的なポイントは、キャビネットIRを使った音作りしかできないことです。
アンプシミュレーターを使った音作りでは、アンプヘッドとキャビネットを組み合わせて音を作っていきますよね。どちらがギターサウンドに最も影響を与えると思いますか。
多くの方はアンプヘッドと答えるかもしれませんが、実はキャビネットになります。キャビネットはサウンドの質感、低域や高域の張り出し方といったギターサウンドを決定付ける上で大事なポイントを担っているからです。
そのため、どのキャビネットを使うのか。収録するマイクはどれを使うのか。マイク位置はキャビネットのどこを狙うべきか。マイクは1本 or 2本?それらの組み合わせによってギターサウンドが大きく変わるため、最適な組み合わせを見つけるのに迷いやすいポイントだと思います。
PRS SuperModelsはキャビネットIRを用意することで、その迷いやすいポイントを排除しています。キャビネットの選択やマイキングといった煩雑な調整をしなくてもいい。用意されているキャビネットIRはアンプヘッドのポテンシャルを発揮してくれるものばかり。
僕たちは欲しい質感に合わせてキャビネットIRを選ぶだけでいいんです。
アンプヘッドはゲイン調整が大事
PRS SuperModelsはゲインに応じたプリセットが用意されていることもポイント。イメージしている歪みを簡単に得ることができます。
ギターサウンドを決定する上で最も大事なのはキャビネットと書きましたが、もちろんアンプヘッドの調整も必要です。特に「どれだけ歪ませるのか」に関わるゲイン調整は、アンプヘッドでしか調整できません。
程よいクランチサウンド、プッシュ気味のオーバードライブサウンド、攻撃的なディストーションサウンド。それらは全てアンプヘッドのゲイン調整、つまりプリアンプとパワーアンプのゲインバランスが適切にとれているからこそ得られるサウンドですが、この調整がなかなか難しい。
PRS SuperModelsではゲインに応じたプリセットが用意されているので、自身がイメージしている歪みを簡単に得ることができます。いちいちゲイン調整する必要はありません。歪みを選択するようにプリセットを選ぶだけで大丈夫です。
あらゆるジャンルがカバーできるサウンドバラエティの広さ
PRS SuperModelsで一番強調したいポイントが、あらゆるジャンルがカバーできるほどのサウンドバラエティの広さです。
収録されているアンプはそれぞれ特徴的なサウンドであり、それらがお互いを補完しあっている印象です。今風の綺羅びやかなクリーン、クランチサウンドからロックテイスト溢れるオーバードライブサウンド、攻撃的なリフが弾きたくなるメタルサウンドまで、あらゆるジャンルがカバーできます。
ソリッドな質感で今風のクリーンやクランチサウンドに最適 PRS Dallas
PRS Dallasはソリッドな低域と艶のある高域が特徴です。今風のカッティング主体のサウンドメイクで大いに活躍してくれます。
(PRSDallasCleanDemo.wav:5MB)
上記デモはクリーンのカッティングサウンド。PRS Dallasに収録されているプリセットをそのまま鳴らしています。アンプのポテンシャルを引き出すように適切にゲイン調整されたプリセットが収録されているため、設定をいじる必要はありません。
太くなりすぎないソリッドな低域、耳に痛くならない艶のある高域が分かると思います。また、きちんとギターの美味しい中域が出ているのもポイント。線の細さを感じませんよね。
(PRSDallasCrunchDemo.wav:5MB)
上記デモはクランチのカッティングサウンド。PRS Dallasに収録されているプリセットからキャビネットIRを変更して質感を変えています。PRS SuperModelsの音作りでは、プリセットからキャビネットIRを変更して質感を変えるというアプローチが特に効果的です。
あくまでクリーンサウンドの延長線上にあるようなクランチサウンドですよね。耳に痛くならない艶のある高域はもちろん、ローコードを弾いたとしてもブーミーになりすぎない絶妙な低域が印象的。コードの分離感がきちんと残っているのもポイントです。
クランチサウンドは「どれだけ歪ませるのか」に関わるゲイン調整が特に難しい。ゲインを上げすぎるとコードの分離感がなくなってしまうし、ゲインが足りないとクランチサウンド特有の少しだけ歪んだ気持ちよさがなくなってしまう。必要なゲインに応じたプリセットが用意されているため、その難しいポイントを考えなくていいのが嬉しいですよね。
「ずっと真夜中でいいのに。」さんのような人気のあるバンドサウンドは、ソリッドな質感でカッティング主体のサウンドメイクが多い印象です。そのようなサウンドメイクでPRS Dallasを使ってみて下さい。
程よくドライブした中域豊かなサウンドが特徴 PRS Blue Sierra/V9
PRS Blue Sierra/V9はクリーンからクランチ、オーバードライブまで鳴らせるため、PRS SuperModelsに収録されているアンプの中でいちばん守備範囲の広いアンプと言えます。ギターの美味しい中域にピークがあるふくよかなサウンドが特徴です。
(PRSBlueSierraCleanDemo.wav:5MB)
上記デモはクリーンのカッティングサウンド。音色を比較できるように、プリセットからPRS Dallasのクリーンサウンドのデモと同じキャビネットIRに変更し、同じフレーズを弾いています。
PRS Dallasのようなソリッドさはそこまで感じませんが、中域にピークがあるふくよかなサウンドが印象的ですよね。この特徴的な中域の押し出し感はゲインを上げることで鮮明になっていきます。
(PRSBlueSierraCrunchDemo.wav:5MB)
上記デモはクランチのカッティングサウンド。今回も音色が比較できるように、プリセットからPRS Dallasのクランチサウンドのデモと同じキャビネットIRを選び、同じフレーズを弾いています。
PRS Dallasのようなソリッドさは失われていますが、中域の押し出し感がより鮮明になり、まるでペダルエフェクターでプッシュしているかのような、ふくよかなサウンドですよね。
PRS Dallasのソリッドな質感とPRS Blue Sierra/V9のふくよかな質感、どちらが良い悪いではなく、好みや楽曲の趣向によって使い分けたいところ。「ヨルシカ」さんのような人気のあるバンドサウンドは、程よくドライブさせた中域豊かなサウンドが特徴ですよね。そのようなサウンドメイクでPRS Blue Sierra/V9を使ってみて下さい。
また、PRS Blue Sierra/V9はクリーンやクランチだけでなく、プリアンプのゲインをプッシュしたサウンドも最高です。
(PRSBlueSierraHardRockDemo.wav:8MB)
上記デモはロックテイスト溢れるオーバードライブサウンド。中域をより押し出すために、プリセットからプリアンプのゲインをプッシュしてみました。
中域の押し出し感が気持ちいいオーバードライブサウンドですよね。決してモダンなサウンドではないですが、このような中域豊かなサウンドが出せるアンプはあまり思い浮かびません。
僕は他社製のアンプシミュレーターをメインで使っていますが、中域の押し出し感を出したい場合、必ずTS系オーバードライブ等のペダルを併用しています。アンプ単体ではこのような中域豊かなサウンドが出せないからです。その意味で、中域豊かなサウンドが出せるPRS Blue Sierra/V9は他では代用できないアンプと言えます。
クリーンやクランチサウンド同様、中域を押し出したようなオーバードライブサウンドが欲しい時にPRS Blue Sierra/V9を使ってみて下さい。
攻撃的なハイゲインサウンドと透明感のあるクリーンサウンドが特徴 PRS Archon
PRS Archonはこれまで紹介してきたアンプでは絶対に出せないハイゲインサウンド、透明感のあるクリーンサウンドが特徴です。
(PRSArchonHardRockDemo.wav:5MB)
上記デモはドロップDチューニングでプレーしたギターリフメインのハイゲインサウンド。プリセットからキャビネットIRを変更して質感を変えています。
ハイゲインが売りのアンプは中高域にピークがあるものが多いですが、PRS Archonは中低域にピークがあります。そのため、このようにサウンドの重心がグッと下がったヘビーなサウンドが特徴です。
(PRSArchonDownTuningDemo.wav:4MB)
上記デモはダウンチューニングを生かしたギターリフメインのサウンド。PRS Archonに収録されているプリセットそのままです。
ザクザクとリフが刻めるサウンドもハイゲインサウンドの魅力のひとつですが、ザクザク感溢れるサウンドメイクに苦労されている方も多いのではないでしょうか。PRS Archonではプリセットを選ぶだけですよ。
ハイゲインサウンドはある程度ジャンルを選びますが、欲しい人には欲しいサウンドのはず。ドロップチューニングやダウンチューニング、多弦ギター等、ヘビーなサウンドや攻撃的なサウンドを鳴らしたいという方は、PRS Archonを使ってみて下さい。
また、ハイゲインサウンドメインの楽曲では、クリーンサウンドを使ってドラマチックに楽曲を構成することも多いですよね。そのため、透明感のあるクリーンサウンドが鳴らせることも、ハイゲイン系アンプを語る上で大切なポイントになります。
(PRSArchonCleanDemo.wav:5MB)
上記デモはローポジション主体のアルペジオを弾いたクリーンサウンド。PRS Archonに収録されているプリセットから、DEPTHコントロールを少しだけ下げてタイト感を出しています。
このクリーンサウンドはハイゲインサウンドを求めていない方でも大いに役立つはず。
これまで紹介してきたPRS DallasやPRS Blue Sierra/V9のクリーンとは違い、低域と高域に厚みを感じますよね。アンプヘッド特有のナチュラルコンプによる圧縮感が低域と高域の厚みを生み出し、透明感のあるクリーンサウンドに繋がっています。
ハイゲインアンプだからといって敬遠せず、透明感のある埋もれないクリーンサウンドを鳴らしたい時にも、PRS Archonを使ってみて下さい。
エフェクト込みの音作りについて
他社製アンプシミュレーターの多くは多種多様なペダルエフェクターが収録されているため、それらエフェクト込みの音作りができます。ただ、PRS SuperModelsはペダルエフェクターが収録されていないため、エフェクト込みの音作りができません。
この点が弱みに見えてしまうかもしれませんね。でも、大丈夫です。
PRS SuperModelsはエフェクトのノリがすごく良い。誰もが使えるDAW標準エフェクトを組み合わせて音を作ったとしても、他社製アンプシミュレーターに引けを取りません。
※Logic Pro X 標準エフェクトOFF(PRSArchonCleanDemoOff.wav:5MB)
※Logic Pro X 標準エフェクトON(PRSArchonCleanDemo.wav:5MB)
PRS Archonのクリーンサウンドのデモを聴いて「あれ?」と思われたかもしれませんね。PRS SuperModelsはペダルエフェクターが収録されていないのに、なぜかコーラスがかかっていると。実は、Logic Pro X 純正のエキサイターでカラッとした質感を加えた上で、コーラスで広がりとうねりを出していました。
※Logic Pro X 標準エフェクトOFF(PRSDallasCrunchDemo.wav:5MB)
※Logic Pro X 標準エフェクトON(PRSDallasCrunchEffectDemo.wav:5MB)
PRS DallasのクランチサウンドのデモにLogic Pro X 標準ペダルエフェクターのフェイザーをかけ、コードカッティングに独特のうねりを出しています。このようにペダルエフェクターが標準で付いているDAWもあるので、それらのDAWを使っている方は活用してみてください。
もちろんDAW標準エフェクトではなく、手持ちのプラグインを使って音作りしても大丈夫です。僕はWavesプラグインを組み合わせて音作りすることが多いですよ。その辺の話も今後できたらいいですね。
最後に
音作りが簡単であらゆるジャンルがカバーできるアンプシミュレーター。それが今回紹介したWaves PRS SuperModelsです。音作りで重要な工程をできるだけ省略し、自分が鳴らしたいサウンドに最短で辿りつけるアンプシミュレーターですね。
ぜひ一度手にとって、ギターをかき鳴らしてみて下さい。

Yuuki-T
「心から音楽を楽しむ」をモットーに、毎日音楽と接しています。
ひとりでも多くの人が「自分もまた音楽やってみようかな?」と思ってもらえるような記事にしたいと思っています。
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