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My Favorite Waves ─ Gregory Germain(ミキシング/レコーディングエンジニア)
My Favorite Waves

Gregory Germain

ミキシング/レコーディングエンジニア

レコーディング・エンジニアになるべくパリから来日し、専門学校卒業後スタジオグリーンバードを経てDigz Inc, Groupに入社。2021年より独立しSonic Synergies Engineeringを設立。バンドものからR&BまでのJポップ、Kポップなど多岐にわたって活躍中。

https://www.gregory-germain.com/

2021.06.23

My Favorite Plugins

自身の制作に欠かせない愛用プラグインを選んでいただきました。

Ultimate
Essential
SSL E-Channel
SSL E-Channel

SSL E-Channel 伝説のエンジニア、ジョージ・マーティンを迎え1983年に開発されたSSL 4000Eコンソールに搭載されたチャンネルストリップを再現。ハイパス/ローパスフィルター、4バンド・パラメトリックEQを備えるEQ

Ultimate
Smack Attack
Smack Attack

ドラム、ループ、シンセ・ヒット、パーカッションに重みのあるパンチ感と切れ味を加える。サウンドのアタック、サステインのトランジェントを音量、形状、長さから個別にデザインし、精密な調整から荒々しいエフェク

Ultimate
SSL EV2 Channel
SSL EV2 Channel

Solid State Logic社の認定を受け、WAVESは、伝説のコンソールチャンネルストリップ「SSL 4000E」を新たにSSL EV2として再現。オリジナルのSSL 'O2' Brown EQとコンソールの豊かなマイクプリとライン入力を再現する

Ultimate
dbx 160 compressor / limiter
dbx 160 compressor / limiter

オリジナルのdbx® 160は、1970年代の他のコンプレッサーと比べ、非常に歪みが少なくクリーンなサウンドで、特にドラムのコンプレッサーとして評価されてきました。入力信号に素早く反応するdbx 160コンプレッサーは

Ultimate
SSL G-Channel
SSL G-Channel

SSL G-Channelは、SSL 4000 383 G EQをベースとするハイパス/ローパスフィルターおよび4バンド・パラメトリックを備えたEQセクション、そしてダイナミクスセクションで構成される、SSL 4000 Series-Gコンソール搭載

Ultimate
Scheps 73
Scheps 73

Waves Scheps 73は、世界的なミキシング・エンジニア、アンドリュー・シェップス(アデル、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、 ブラック・サバス、 ラナ・デル・レイ、メタリカ、ジェイZ)と共同開発された、クラシ

Ultimate
Essential
MondoMod
MondoMod

MondoMod は、AM、FMそしてロータリー・モジュレータを独自の手法で統合し、静かな音質から動的な音質までユニークなサウンドを生成します。

Interview

Wavesのプラグインって、僕や僕の周りのエンジニアにとっては「定番」のもので、スタジオには必ず入ってるようなものなんです。僕がプロになる前からあるブランドだし、プロになってからも使い続けているプラグイン。僕の中ではスタジオによくあるヴィンテージのアナログアウトボードと同じような感覚で使える、安心できるツールといえますね。

30年もの歴史があることにも驚きますが、もっと驚くのはその30年間でリリースされてきたプラグインが全て最新のOSでも使えるようにアップデートされていること。メーカーの都合でアップデートされなくなってしまうプラグインって結構あるんですが、Wavesは全てのプラグインが常にアップデートされている。定番のL1、L2なんかは代表的ですが、今でも使うことがあります。

約200種類もあるので「選びきれない」というのも本音ですが(笑)、その中でも僕にとって外せない5つを選んでみました。


1つ目は、結構古くからあるプラグインの「MondoMod」です。これはオートパン、モジュレーション、フィルターなどの複合エフェクトなんですが、僕の場合はシンセやSFX系の音を瞬間的に派手に聞かせる音に仕上げるために使うことが多いですね。

こういうフィルみたいな音は、結構パワーが大きいから主役のボーカルとかそれを支えるキックやスネア なんかの「センターにいるべき音」の邪魔をしてしまったりするんです。でも派手に聞かせたい。そういうときにMondoModを使って派手に360度回したりして「センターに常駐してない」という状態を作ります。存在感はそのままだけど、主役の邪魔をしない。

こういうプラグインって他でもあるでしょ?って思うかもしれないけど、実はないんですよ。あっても多機能すぎて操作が直感的なじゃないものが多い。自分がやりたいことをシンプルに素早く仕上げてくれるMondoMod、僕はこれがないと本当に困っちゃいますね。


次はScheps 73。ヴィンテージNEVEの1073のモデリングだと思いますが、ドラムに良く使います。特にスネアには必ずと言っていいほど使います。

ヴィンテージの1073をモデリングしたプラグインは他社からもたくさん出ているのですが、Scheps73は名匠アンドリュー・シェップス(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ブラック・サバス、ラナ・デル・レイ、メタリカ)が開発に大きく関わっているとのことで、普通の1073とは違うポイントがあります。

実機の1073はミドルのEQが7.2kHzまでなのですが、このプラグインは10kHzまでピーキングタイプを使うことができる。ここだけ同じくNEVEの1081と同じ仕様になっているんですね。おそらくアンドリュー・シェップスのリクエストによってこの仕様になったんだろうなとは思いますが、10kをベルタイプでEQできると、音作りの幅が一気に広がるんです。他社の1073プラグインにはない特徴で、単なる再現が目的じゃないということが素晴らしい。だからいつも使ってしまいますね。


SSL-Channelも「よく」使います。よくというか、ほとんど毎日使っていますね。頻度が高いのはE-Channelの方ですが、個人的にはGも好き。Eはマイルド、Gはアグレッシブな印象があって、ミックスする曲によって使い分けます。

実際のSSLコンソールも使い慣れているし、現場では素早い作業が求められます。パッとEQで調整するとか、特定の周波数をコントロールするとかは、よく知ってるSSLが一番早い。SSLのモデリングプラグインは他社からもたくさんリリースされているけど、SSLを良く知っているユーザーとしてWavesのSSLを選ぶ理由はこれが一番「ナチュラルな気持ち」で使えるから。細かいGUIの違いなんだけど、ツマミの並び方や配置に違和感を感じない。だからこそ僕のファーストチョイスです。もちろん音が良いというのが前提ですけど。

それから、インプットゲインが調整できるところも良いですね。実際のSSLを使ってるとき、インプットのトリムをちょっと上げてクリッピング、サチュレーションさせたり、反対にアウトプット部分でサチュレートさせたりするけど、これが結構違うんですよ。で、特にインプットの方で得るサチュレーションってすごくキャラクターがある。例えばもらった素材の音がちょっと細いなと思ったら、EQでどうにかする前にインプットで少し突っ込んでからEQを使うのですが、Waves SSLはこの辺のキャラクターもうまく再現していると思います。


Smack Attackも外せないプラグインです。トランジェントをコントロールするものですね。同じようなことができるプラグインは他社からもたくさん出ているけど、僕はSmack Attackばかり使っています。ミックスの奥行きをしっかり作るのに重要なプラグインですね。

入力された音が波形となってリアルタイムに表示されるから、設定も迷う事なくできます。僕の場合はドラム、パーカッション、ループ素材なんかにに使いますが、アタックのある素材の奥行きを自在に手前/奥にコントロールできるし、コントロールのカーブも自由にデザインできる。トランジェントだけじゃなくリリースの調整も同時にできるのもいいですね。

気に入ってるのはアウトプットに付いている「ガード機能」ですね。トランジェントが足りないと思う素材のアタック部分を出したときはレベルが上がってしまいますが、それをSmack Attackの中でクリッピングさせるか、リミッターで抑えるか、またはレベルをマニュアルで抑えるかを選ぶことができる。楽器やプレイのニュアンスに合わせてタイプを変えて使います。

これは裏技的な使い方ですが、最近はラウドネス値を意識したミックスが大事だと言われますよね。ドラムとかパーカッションで欲しいレベルまで上げると、割とすぐに基準値を超えてしまいます。そんな時ドラムのバスに一度リミッターを挟んでレベルを抑えてからSmack Attackでトランジェントだけをわずかに強調してあげると、ラウドネスメーターをほとんど振れさせることなく存在感を強調できますよ。

いくつもの目的で使えるという意味で、やはり外せないプラグインですね。


最後にピックアップしたのは、dbx160です。

実機を使ったことは何度もありますが、これは本当に「すごく似てる」レベル。特にコンプレッションのカーブ。実際のdbx160はすごく独特なコンプレッションのカーブを持っていて、それが世界中のエンジニアに愛されてると思うのですが、全く同じと言ってもいいくらい、本当に同じ。

僕は定番的な使い方で、スネアとかパーカッションに使います。あとはギターにも良く使いますね。実機を使うときもそうだけど、この独特なコンプレッションが好きなんです。でも実機のdbx160は、ちょっと強めにかけるとすぐにローが抜けてしまうんですよ。このコンプを通したときの雰囲気はほしいけど、実機だとどうしてもコントロールできないなと思うことが良くありました。

Waves dbx160は、実機にないサイドチェインフィルターやパラレルコンプレッション用のMIXツマミがあるので、dbx160ならではのアタック感も出しつつ、ローが痩せない音作りをすることができる。これでしかできない事がいっぱいあるので、個別のトラックだけじゃなくバスでも使うようになりましたね。


自分のスタジオだけじゃなく、Wavesはどこのスタジオに行っても大抵揃っているから、僕としては安心して使えるツールの1つなんです。Wavesというブランドが登場して30年くらい経つけど、この30年の間にたくさんのブランドが登場してきたし、消えていったと思います。これだけの時間が経っているけど未だに「Wavesじゃないとできない」というものがまだまだたくさんあるというのはすごいことですよね。

僕としてはヴィンテージのアナログアウトボードを使うことも、プラグインを使うこともどちらも同じ感覚。どちらが上でも下でもない。プラグインを使うときには、何も考えずWavesに手が伸びることが多いですね。

Series My Favorite Waves

第一線を走るエンジニア、トラックメイカー、プロデューサー、コンポーザーの方々に「マイ・フェイバリット・プラグイン」を挙げていただき、どこに、どんな用途で使うのかを伺いました。

My Favorite Waves | Nakajin(SEKAI NO OWARI)

Nakajin(SEKAI NO OWARI)─ L3-16があることでアレンジには間違いがないな、と確信を持てるんです。

My Favorite Waves | 永井 はじめ(エンジニア/プロデューサー)

永井 はじめ(エンジニア/プロデューサー)─ 僕が手がけた作品のピッチ補正は100%Waves Tuneです。音質も、ピッチトラッキングもNo.1

My Favorite Waves | 古賀 健一(エンジニア)

古賀 健一(エンジニア)─ H-EQが登場したときやっとアナライザーつきのEQがでたと、本当に嬉しくて

My Favorite Waves | 保本 真吾(CHRYSANTHEMUM BRIDGE)

保本 真吾(CHRYSANTHEMUM BRIDGE)─ S1 Stereo Imagerはかれこれもう10年以上、嘘偽りなく全セッションで使っています

My Favorite Waves | 藤原 暢之(レコーディングエンジニア)

藤原 暢之(レコーディングエンジニア)─ MV2は欠かせないプラグイン。わずかな調整で狙った通りに音が立ってくれる

My Favorite Waves | 佐藤 洋介(サウンドプロデューサー/エンジニア)

佐藤 洋介(サウンドプロデューサー/エンジニア)─ Manny Marroquin Delayを使った瞬間、嘘のように全ての悩みが解決されたほど

My Favorite Waves | 鈴木

鈴木 "Daichi" 秀行(アレンジャー/プロデューサー)─ MV2はコンプでもリミッターでも得られないような自然な仕上がりが好きですね

My Favorite Waves | 芦沢 英志(サウンドクリエイター)

芦沢 英志(サウンドクリエイター)─ Infected Mushroom Pusherは、とにかくMAGICですよ!MAGICを上げるだけで音像が前にきます

My Favorite Waves | 牧野 忠義(株式会社スピンソルファ代表 / 作曲家)

牧野 忠義(株式会社スピンソルファ代表 / 作曲家)─ M360 Surround Managerは、ゲームに実装するサラウンドミックス時に必ず使います

My Favorite Waves | 福井 シンリ(作・編曲家)

福井 シンリ(作・編曲家)─ S1 Stereo Imagerは下積み時代にお世話になったエンジニアさんが愛用してたのを機に自分も虜に

My Favorite Waves | Gregory Germain(ミキシング/レコーディングエンジニア)

Gregory Germain(ミキシング/レコーディングエンジニア)─ ヴィンテージのアナログアウトボードと同じような感覚で使える、安心できるツールといえますね。

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