永井 はじめ
2017.06.22
自身の制作に欠かせない愛用プラグインを選んでいただきました。
J37 Tape
J37テープ・サチュレーション・プラグインは、WavesとAbbey Road Studiosの協力によって誕生したテープ・サチュレーション・プラグインです。現代音楽の偉大なマスターピースの録音に使われてきた機械そのものを正確
Kramer HLS Channel
伝説的なプロデューサー/エンジニアであるEddie Kramerと共に開発したHLS Channelは、Londonの有名なOlympic Studioにおける歴史的なセッションで使用したHeliosミキシングコンソールと同じモデルを入手、細心の注
Tune
透明感のある自然なサウンドと柔軟性、正確なリアルタイム・ピッチ補正とフォルマント処理を可能にするボーカルプロセッサ 。フレージング、エモーション、デリバリーをすべて搭載し、素晴らしいボーカル・テイクを
PuigTec EQs
PuigTec EQP-1A Pultec EQP-1Aは同じ周波数を同時にブースト/カットするユニークな機能を使用してレゾナンスシェルフを作り出せることで有名です。PuigTec EQP-1Aはジャック・ジョセフ・プイグが手がけた、ウィーザ
MV2
MaxxVolumeのエンジンをベースに、二つのパラメーターでハイ/ロー・レベル・コンプレッションをコントロールする、よりシンプルなプラグインです。
REDD
ロンドンに所在するアビーロード・スタジオは、1960年代のポップ・カルチャーの新たな潮流、ロック・ミュージックの震源地でした。ビートルズ、ホーリーズ、ピンク・フロイドをはじめ、数々の光輝く先駆者が音楽の歴
僕の中の「マストプラグイン」といえば、MV2です。ほとんどのセッションに使っているし、特にボーカルにはかなりの頻度で使います。テンポの速い曲などの場合、フェーダーコントロールだけではレベル合わせが追いつかないようなときに、MV2をつかってロー・レベルとハイ・レベルの「欲しい範囲」を決めてしまうんですね。一般的なマキシマイズ系のツールやコンプなどでは音質が変わってしまったり、損なわれたりしてしまいますが、MV2は極めて劣化も少なく、かつ欲しい効果が得られます。
世の中には数多くのピッチ補正ツールがありますが、僕が使っているのはWAVES TUNEだけ。最近のセッションでピッチ補正が必要なときに使用しますね。理由は補正をしたときの「音質の変化が一番少ないから」ですね。一番いい(変化が少ない)と思います。それから、ピッチ補正であるにもかかわらず「あいまいさ」をコントロールできることもいいですね。もともと人間は頭からきっちり正確なピッチで歌い出すことはなく、それこそがニュアンスの一部だったりするわけです。ここをうまく残した補正ができるのはいい。しかも、ライブミックスのボーカル補正にも使えるんです。ボーカルマイクに他の音が被っていても、ちゃんとボーカリストのピッチを狙ってトラッキングしてくれますよ。精度が高いという証拠でしょうね。
PuigTeq EQP-1Aに関しては、実機も所有をしているのですが、プラグインであるこれも好きですね。ギター、ベース、ドラムなどに重宝しています。質感も好きなので、ソースや現場によってハードにするか、PuigTeqにするかを使い分けたい感じ。このプラグインは他社からも数多くリリースされていますが、中にはインサートしただけで音圧まで変わってしまったり、見た目以外は似ていないものもあったりします。そういう意味でこのPuigTeqは効きも挙動も「似ている」と言えます。音に太さが欲しいときに使います。
Abbey Road Collectionは新しいプラグインが追加されるたびに「補強(追加)」していますが、チャンネルストリップのREDDとテープのJ37の稼働率が高いですね。REDDは全チャンネルにインサートして、通すだけで変わる質感も含めて好きです。多数のチャンネルに使用して「心の中のコンソール」なんて思いながら使っています(笑)Abbey Road CollectionがリリースされてからはSSL4000 Collectionの稼働率が下がってしまいましたが、これらは優劣ではなく「欲しい音」で使い分けているような感じなので、80-90年代ミックスっぽさが欲しいときには、今でもSSL4000 Collectionの出番になりますね。
エディ・クレイマー所有のEQ、Kramer HLS EQ。さすがに実機を使ったことはないですが、プラグインを試してみたらすごく良かった。その時から愛用しています。僕自身は、シビアで精度の高いEQよりもこういったざっくりとしたEQの方が好きなんです。EQを使うときも補正用途のカットで使うことはほとんどなくて、ブーストして音作りをするために使うことも多いんですね。HLS EQはそのブーストしたときの質感がものすごく良くて、気に入っています。
WAVESのプラグインは定番でもありながら、かなりの数に及ぶので隅から隅まで使っているわけでもありませんが、必ずいくつかのプラグインをセッション内で使用しています。今回ピックアップしたもの以外にもよく使うものはありますが、今回はあえて厳選しました。昔からある無機質なグラフィックに比べて、近年リリースされているもののデザインは好きですね。
永井 はじめ氏所有のWavesバンドル製品
Horizon
音楽の創造は1990年代にアナログからデジタルへ、ハードウェアからソフトウェアへ、2000年代にはコンピューターのパワーの上昇によりインザボックスでの制作、ミキシング、マスタリングは一般的なものになりました。
Abbey Road Collection
あまりにも有名なビートルズのアルバムジャケット、その信号の先には、彼らにまつわる幾つもの逸話と、音響実験によって作り上げられた名作アルバムの誕生地があります。音楽に伝説はつきものですか、21世紀の音楽、
SSL 4000 Collection
レコーディングにおいてデシダルが主流となるより前から、一貫した原音忠実なサウンドと、切れ味の良いEQ、そしてダイナミクスプロセッシングも組み込んだアナログコンソールの完全体を追求してきたのは、他ならぬSo
第一線を走るエンジニア、トラックメイカー、プロデューサー、コンポーザーの方々に「マイ・フェイバリット・プラグイン」を挙げていただき、どこに、どんな用途で使うのかを伺いました。
Nakajin(SEKAI NO OWARI)─ L3-16があることでアレンジには間違いがないな、と確信を持てるんです。
永井 はじめ(エンジニア/プロデューサー)─ 僕が手がけた作品のピッチ補正は100%Waves Tuneです。音質も、ピッチトラッキングもNo.1
古賀 健一(エンジニア)─ H-EQが登場したときやっとアナライザーつきのEQがでたと、本当に嬉しくて
保本 真吾(CHRYSANTHEMUM BRIDGE)─ S1 Stereo Imagerはかれこれもう10年以上、嘘偽りなく全セッションで使っています
藤原 暢之(レコーディングエンジニア)─ MV2は欠かせないプラグイン。わずかな調整で狙った通りに音が立ってくれる
佐藤 洋介(サウンドプロデューサー/エンジニア)─ Manny Marroquin Delayを使った瞬間、嘘のように全ての悩みが解決されたほど
鈴木 "Daichi" 秀行(アレンジャー/プロデューサー)─ MV2はコンプでもリミッターでも得られないような自然な仕上がりが好きですね
芦沢 英志(サウンドクリエイター)─ Infected Mushroom Pusherは、とにかくMAGICですよ!MAGICを上げるだけで音像が前にきます
牧野 忠義(株式会社スピンソルファ代表 / 作曲家)─ M360 Surround Managerは、ゲームに実装するサラウンドミックス時に必ず使います
福井 シンリ(作・編曲家)─ S1 Stereo Imagerは下積み時代にお世話になったエンジニアさんが愛用してたのを機に自分も虜に
Gregory Germain(ミキシング/レコーディングエンジニア)─ ヴィンテージのアナログアウトボードと同じような感覚で使える、安心できるツールといえますね。