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ヘッドフォンさえあれば得られる、最高のモニター環境
防音や遮音の行き届いた商用のスタジオ、あるいはそれに準拠したような自宅スタジオでない限り、プライベートスタジオでガンガンにスピーカーを鳴らして制作を行える人は少ないことでしょう。そんなときにヘッドフォンは強い味方です。もちろん、24時間いつでもスピーカーを自由に使える方であっても、ミックス作業の上でヘッドフォンでの確認は重要でしょう。
2022.12.01
ヘッドフォンさえあれば
ご存知の通り、スピーカーで鳴らしたときとヘッドフォンで聴くときのバランスは異なって聴こえます。耳にダイレクトに音が届くヘッドフォンと、空気を介して聴こえるスピーカー。この差分は熟練の方であれば慣れたものかもしれません。しかし多くのミックス初心者が最初につまづくのが、この違いを見越せずにミックスしてしまうことではないでしょうか。
そんなときは「ヘッドフォン内に、まるでスピーカーを鳴らしたかのような環境を作る」WAVES NXです。
WAVES NXは、ヘッドフォンの中にリアルなスタジオ環境を作り出し「スピーカーがスタジオで鳴っている状態」を作り出すプラグイン。しかも、頭の動きに合わせてその仮想空間での鳴り方もリニアに追従してくれる、というもの。つまり…
![mixing-on-headphones-01](/image/articles/mixing-on-headphones-how-to-translate-to-speakers/mixing-on-headphones-01.jpg)
- 右を向けば左耳により多くの音が届き
- 左を向けば右耳により多くの音が届く
- 右のスピーカーから出た音は、右耳はもちろん左耳にも届く
- 左のスピーカーから出た音は、左耳はもちろん右耳にも届く
というところもリアルに再現されるので、まさにスピーカーを目の前にしている没入感が得られるのです。実際、このプラグインをオンにしている状態で5分も作業をしていると、多くの方がヘッドフォンをしていたことを忘れてしまうことでしょう。また、ユーザーから「長時間のヘッドフォン作業をしていても、耳が疲れにくくなった」という評価を目にしたこともあります。
顔の向きはコンピュータ内蔵のカメラや一般的なウェブカメラで「顔」をトラッキングします。特にセッティングは不要で、インストール後の初回起動時に自動で検知が行われます。Macbookなどのラップトップマシンのカメラで十分です。カメラのないデスクトップマシンであれば、外付けのウェブカメラでOK。
![mixing-on-headphones-02](/image/articles/mixing-on-headphones-how-to-translate-to-speakers/mixing-on-headphones-02.jpg)
このトラッキングにより、頭の動きと仮想空間の音がリンクされる
私は細かいチェックをしたいときに、つい利き耳をスピーカーに向けてしまう癖があるのですが、その行為をしたときの音がまるでいつものスピーカーで聴いているような感覚で聴こえたことは驚きでした。これは、実際に体験してみると想像以上の驚きがあります。
5.1ch、7.1ch、そしてAmbisonicsにも対応
NXはステレオのみならず、サラウンド(5.0/5.1/7.1)やAmbisonicsにも対応。つまり、ヘッドフォンの中にリアルな多チャンネルスピーカーの空間を作ってしまうのです。これにより、スピーカーがなくてもどこでもサラウンド、Ambisonicsのミックスができるといえます(公園でサラウンドミックスだって可能!)。多チャンネルのミックスは、スピーカー設備のある環境でしかミックスできない、という前提はもうなくなりました。現在高い注目を浴びるイマーシブ・オーディオも、お気に入りのヘッドフォンがあるだけで対応できてしまいます。
![mixing-on-headphones-03](/image/articles/mixing-on-headphones-how-to-translate-to-speakers/mixing-on-headphones-03.jpg)
より正確に
iMacやMacbook、ラップトップマシン内蔵のカメラでも十分に機能をしてくれますが、ウェブカメラのない環境であったり、より正確なトラッキングをしたいときには、ヘッドフォンに取り付けるハードウェア、NX Head Trackerを使えばOK。
付属のバンドでヘッドフォンのてっぺんに取り付けます。実にアナログですが、これによりほとんどのヘッドフォンに対応します。ペアリングはBluetoothで即座に認識。
![mixing-on-headphones-04](/image/articles/mixing-on-headphones-how-to-translate-to-speakers/mixing-on-headphones-04.jpg)
世界最高のスタジオで作業?
WAVES NXプラグインはこのように、ヘッドフォンの中に仮想のスピーカー環境を作り出し、空気を介して音が耳に届くリアルな環境を作るプラグインですが、この技術を使用した別プラグイン、Abbey Road Studio 3もご紹介しておきましょう。
これはもう、その名の通りの製品。みなさんのヘッドフォンの中にアビー・ロード・スタジオの「第三スタジオ(のコントロールルーム)」を再現。このスタジオ最大の特徴ともいえるラージモニター、そしてミドル/ニアフィールドのモニターを切替えて使うことができるので、これだけで3種のモニターが得られると言えます(ヘッドフォンを含めれば4つですね)
![mixing-on-headphones-05](/image/articles/mixing-on-headphones-how-to-translate-to-speakers/mixing-on-headphones-05.jpg)
完璧にメンテナンスされたルームの、完璧なモニター。音の奥行きや広がりなどが手にとるように分かること(そこの再現を目指して、このプラグインは作られています)が、このプラグインの最大のウリでしょう。「俺のこの曲、アビーロードでミックスしたんだぜ!」と言ってもいい...のかもしれません(このプラグインはアビー・ロード・スタジオとの共同開発/監修によるオフィシャル製品ですから)
他の有名スタジオも、あります
上記したアビー・ロードだけでなく、ロック界の重鎮CLA(クリス・ロード=アルジ)自身のスタジオを再現したCLA Nx、ニューヨークの伝説的スタジオ、ヒットファクトリーを再現したNx Germano Studios New York、かのオーシャン・ウェイ・スタジオを再現するNx Ocean Way Nashvilleなど、さまざまなスタジオを用意。
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CLA Nx
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Nx Ocean Way Nashville
Waves Nx Ocean Way Nashvilleは実際のスタジオでスピーカーを通したような音響空間をヘッドフォン上に再現し、ヘッドフォンを確かなミキシング/モニタリングを可能にするツールへと変貌させます。さらに、コンピュ
より詳細なカスタマイズ
人間の頭の形は一人一人違っていて、片方の耳から反対側の耳までの距離も異なります。厳密にいえば、この違いによって聞こえ方や感じ方も違ってくることでしょう。NXおよびAbbey Road Studio 3は、頭部の形状を実際に図って入力することで、より正確な「スピーカー空間」をヘッドフォン内に再現できます。
![mixing-on-headphones-06](/image/articles/mixing-on-headphones-how-to-translate-to-speakers/mixing-on-headphones-06.png)
これでしか得られない利点
WAVES Nxシリーズを導入するもう1つのメリット。それは、音楽仲間と同じヘッドフォンを使っていたら「完全に同じ音」でコミュニケーションができること。スピーカーの場合だとこうはいきません。スピーカーは部屋によって大きく特性の変化を受けてしまうからです。これはスピーカー環境に勝るメリットでしょう。
また、違うヘッドフォンを使っていたとしても、世界中のメジャーヘッドフォン270種に対応する補正EQもあるので、多くの方と「ほぼ同じ環境で」意思疎通ができることと思います。頭の大きさをあらかじめインプットしておけば、これらの補正も最大限に利きます。対応しているヘッドフォンに関してはこちらよりご確認ください。
![mixing-on-headphones-07](/image/articles/mixing-on-headphones-how-to-translate-to-speakers/mixing-on-headphones-07.png)
離れたところに住む音楽仲間とも、これで「同じ指針」が持てると言えます。
自宅にラージモニター?
「有名スタジオの音響特性を再現!」というと、なんだかギミックめいた印象をもつ方もいらっしゃるかもしれませんが、Nxシリーズは極めて実用的なプラグインです。仮想空間のラージモニターでは音圧や広がりを、ミドル〜ニアフィールドモニターではバランスや音楽的なチェックを。もちろんオフにすれば、いつものヘッドフォンモニタリングも。ミックスには複数のモニター環境でのチェックが大事と言われますが、Nxシリーズは最も小さい予算で複数のモニター環境を手に入れる最高のソリューションではないでしょうか。
Nxシリーズ
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