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オーストラリアのバンド Lime Cordiale、2025年ワールドツアーでWaves eMotion LV1 ClassicコンソールとeMo IEMイマーシブ・インイヤー・ソリューションを採用

オーストラリアのバンド Lime Cordiale、2025年ワールドツアーでWaves eMotion LV1 ClassicコンソールとeMo IEMイマーシブ・インイヤー・ソリューションを採用

2025年6月4日、テネシー州ノックスビル発 — ライブサウンドエンジニアのBilly Psarologos氏が、オーストラリアのバンド「Lime Cordiale」の2025年ワールドツアーにおいて、Waves eMotion LV1 ClassicライブミキシングコンソールおよびWaves eMo IEMプラグインを使用し、FOHとモニターのミックスを担当しました。

インディー・ポップ・ロックバンドとして国際的に評価されるLime Cordialeは、『Permanent Vacation』『14 Steps to a Better You』といったアルバムで知られ、ARIAアワード「ブレイクスルー・アーティスト賞」と「最優秀ライブアクト賞」を含む数々の賞を受賞しています。

2025.06.12

Waves eMotion LV1 Classicの概要

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Waves eMotion LV1 Classicは、64ステレオチャンネル、44バス、本体に16基のWavesシグネチャープリアンプ、高度なプロセッシング機能を備えたハードウェア・ミキシング・デスクです。コンパクトながら、優れたライブミキシング性能を提供し、ライブ音響エンジニアにとって直感的なワークフローを実現しています。44.1〜96kHzの32ビット浮動小数点演算を採用しており、クリアな音質と広いヘッドルームを確保できます。16基のWavesシグネチャープリアンプには、完全ディスクリートのアナログ回路、低ノイズ、切り替え可能なサウンド・プロファイルが搭載されており、IONICステージボックスで入出力の拡張にも対応しています。

スピード感のあるライブイベントの要求に対応できる柔軟性

LV1 Classicの使用により、このコンソールの卓越した音質だけでなく、スピード感が求められるライブイベントに対応できる柔軟性も証明されました。

スタジオと同じプラグインをライブでも使えるのは大きなアドバンテージ
Billy Psarologos(Illy, Deluxe Audio オーディオ・プロダクション責任者)
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FOHエンジニアのビリー・プサロロゴス氏は、Lime Cordialeの2025年ワールドツアーにおいてWaves eMotion LV1コンソールを使用。


ビリー・プサロロゴス: LV1 Classicは、これまで使ってきたどのコンソールよりも遥かに優れたサミングを提供してくれますし、ミックスエンジンも卓越しています。どの価格帯の機材と比べてもヘッドルームが非常に広く、ミックスが決して窮屈に感じません。明らかに他社製品よりも繊細で表現力豊かなサウンドになります。スタジオのプロデューサーのテクニックをライブで再現できることで、そのアーティストのファンはレコーディング通りのエフェクトをリアルタイムで体験できます。プレイバックに頼らず、プロデューサーの意図を純粋に再現できるのは素晴らしいことです。

またWaves eMo IEMプラグインにより、ソフトウェアのアップグレードだけでイマーシブなインイヤーミックスを提供できるのは素晴らしいですね。音場が広く、バンドにとって快適で明瞭なサウンドを提供できます。360度のパンニングにより、センターに位置する楽器が際立ちます。以前はサイドチェインからのダイナミクスに頼って空間を整理していましたが、今では自然に美しいバランスが得られます。Link Groups機能も便利で、IEMの再調整や複数のボーカルマイクのEQを同期して操作できるのはライブで問題になりがちな共振対策にとても役立ちます。

Lime Cordialeのユニークなライブサウンドは、Wavesプラグインによって形成されています。LV1 Classicはすぐに使いこなせました。UIが直感的なんです。私たちは多くの場合、ショーの前にDAWで音を作っているので、同じプラグインをライブでも使えるのは大きなアドバンテージです。頭の中のサウンドを実現するために、どのWavesプラグインが最適かすぐにわかります。その自信が、バンドとの信頼構築にも繋がります。

最近はCurves AQをショーファイルに加えましたが、もう手放せません。あらゆるインプットを即座にブラッシュアップしてくれる“ベターメーカー”です。楽器ごとのプリセットを選ぶだけで、即戦力になりますし、LV1 Classicでゼロレイテンシーで動作するのは本当に画期的です。

ライブシーンにも強力なプラグイン・エフェクト群

ビリー・プサロロゴス: ダイナミックなボーカルエフェクトを作るために、時間ベースのモジュレーション、サチュレーション、フィルター、フランジャー、そしてWaves H-Delay Hybrid Delayによるインフィニット・ディレイのような基本的なエフェクトに頼っています。これらは、サビへの爆発的な展開を演出したり、ドロップ前にミックスをフィルタリングすることで盛り上がりを作るための鍵になります。LV1のレスポンスの良いインターフェースは、ミックスのフィルタリングやDJスタイルのスクラッチといった大胆なテクニックも可能にし、ライブパフォーマンスをより一層引き立ててくれます。私はH-Delayをバスに立ち上げて、そこにボーカルを送り、無限ディレイをかけたうえで、プラグインのタイムシグネチャを操作しながらリターンフェーダーをコントロールしています。同様に、OneKnob FilterMetaFlangerをミックスバスにかけて、サビ前のビルドアップにDJ的なエフェクトを加えることもよくあります。

Primary Source Expander(PSE)には大きく依存していますし、ライブエンジニアたちはまだその可能性を十分に掘り下げていないと思います。私の手法では、スネアやハイハット、タム、オーバーヘッドといった被りやすい楽器をまとめて“PSEダッカー”バスを作り、それをボーカルマイクのPSEのサイドチェイン入力にルーティングします。そこでダッキングを有効にし、マイクとスネアの距離を測ってゲインを微調整し、スネアヒットがスレッショルドにかからないようにします。これにより、ボーカルの感度を最大限に保ちつつ、ドラムの被りを大幅に削減できます。ドラムの近くにあるDPA d:factoコンデンサーマイクでも、FOHでのスピルがゼロになり、PSEのダッキング機能は常に素晴らしい結果を出してくれます。ライブサウンドの魔法を作り出すために欠かせないツールです。

そして欠かせないプラグインが、Waves TRACT System Calibrationプラグインです。作業するすべてのPAシステムのチューニングとアライメントを完全にTRACTに頼っています。特に小規模な劇場やクラブでは、自動FIR補正が非常に便利で、5分以内にどんな部屋でもチューニングして最適化できます。システムが正しくチューニングされていなければ、どんなに良いミックスでも会場で正しく鳴らないので、まずは必ず会場の音を正しく整えることから始めています。

今一番のお気に入りはCurves Equator

ビリー・プサロロゴス: 今一番のお気に入りはCurves Equatorです。ドラムやバンドのグループにこれを挿し、ボーカルグループをサイドチェインキーに設定することで、ボーカルが常にミックスの中で際立つようにしています。このプラグインの他にはない精度でボーカルの居場所を作る能力は驚異的です。もちろん普通のEQでも似た結果は出せますが、Curves Equatorはリニアフェーズで動作し、オートメイクアップ機能もあるので、楽器のパワーを損なうことなく処理できます。エネルギー感を保ちつつ、ボーカルが自然に前に出る感じは、もはや魔法のようです。

ドラムやベースにはIDX Intelligent Dynamicsを使っています。これは知的なプロセッシングで、トランジェントの強い楽器を最小限のEQでパンチのあるアグレッシブな音に仕上げてくれます。Silk Vocalは私のボーカルチェインには欠かせません。レゾナンスを知的に除去して、豊かで開放的なボーカルサウンドを作ってくれます。また、アコースティックギターやブラスに対する優れたディエッサーとしても機能し、そのスマートなダイナミクス処理能力を発揮します。InPhaseプラグインは、ドラムの位相合わせに不可欠で、従来の位相反転だけでは調整できないところを追い込めます。最も近い音源と遠い音源を正確にディレイ調整することで、完璧な位相整合を実現します。FOHミックスで全てをオーバーヘッドに合わせてアライメントすれば、まとまりがあり接着感のあるドラムサウンドが得られます。

Scheps Omni Channel 2は、私のセッション内のほぼすべてのインプットに使っています。必要な機能が一つにまとまり、F6 EQとの併用で精密な処理が可能です。特にサチュレーションとクラッシュ効果は、ライブボーカルとドラムにおける“秘密兵器”です。

ライブミキシングにおける“直感性”の基準を再定義

ビリー・プサロロゴス: 5年間LV1ソフトウェアを使ってきましたが、LV1 Classicはそのテンプレートを根本から変えました。GUIのカスタマイズが柔軟で、重要な操作を前面に配置できます。Gruop to Groupルーティングによるサイドチェイントリックの自由度や、FXリターンをボーカルグループへ送れる点もライブで非常に便利です。

スクリーンサイズも素晴らしく、視線が上に向くのでステージへの集中力が増します。フェーダーの動きも正確で、フェーダーのすぐ上にある追加のレベルメーターで常に視認性を確保できます。スクリーン後部の輝度調整や、内蔵メディアプレイヤーとレコーダー機能も実用的です。

6週間にわたる北米ツアー中のパフォーマンスもスムーズでした。FOHとモニターを同時にミックスするうえで、このUIが非常に役立ちました。2つのミキサーウィンドウによる柔軟なレイアウト構成、MixTwinアプリとTRACTによるルームチューニングの迅速化など、FOHに戻ることなくiPadで全て完結できるのは効率的です。

今となっては、他のコンソールが遅く感じるようになってしまいました。LV1 Classicは、ライブミキシングにおける“直感性”の基準を再定義したと思います。必要な操作はワンクリックでアクセスでき、アーティストに安心感を与えることができます。このサイズと柔軟性で、これほどのパワーを提供するコンソールは他にありません。ツアーに最適な一台です。


編集注:本記事は Waves Audio, Ltd.のプレスリリースを、(株)メディア・インテグレーションが翻訳したものです。

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